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ジェイドの財布を手に購買へ行けば、アビスとアゼルは買う気もないのに、洒落たメモ用紙やペンケース、置物などを手に取って見始める。
女の買い物が長い原因は大半がこれだろう。
二人の楽しそうな声が聞こえてきたのか、店の奥から店主のサムが出てきた。
「いらっしゃい、キュートでホットな小鬼ちゃんたち。
今日は何をお探しかな？
運命を記すタロットカード？願いが叶うお守り？それとも、恋の秘薬かな？」
興味深い商品を見せられアビスもアゼルも楽しげに笑みを浮かべる。
「それも面白そうですけど、今日はちょっとしたお使いに来ただけなんです」
『床磨き用のワックスとー、アイス珈琲とペパーミントキャンディくださーい』
「OK!袋に詰めて持ってくるよ」
サムはそう言うと店の奥で商品を紙袋に入れ戻ってくる。
「お待たせ。これで全部かな？
今なら荷物運びにも使える、空飛ぶ円盤がお買い得だよ〜」
『それ買う人いんの〜？』
サムと話をしていると、店の扉が開き誰かが入ってくる気配がした。
「ふわぁ〜……相変わらず不思議な物がいっぱいだね」
「お前らなに買うの？オレはチョコバーと飲み物買うけど」
「オレ様は夜食のツナ缶だゾ！」
「僕はノートを一冊……ん？」
どうせ生徒だろうと思い気にする様子はなかったが、妙に視線を感じ振り返ると、そこにはマジフト大会の時に見た１年生たちと、オンボロ寮の監督生の姿があった。
監督生を見ると、アビスとアゼルはお互いの考えを理解したかのようにひっそりと笑みを浮かべた。
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年7月22日 15時
