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「チビちゃんたち〜、ちゃんと掃除してる〜?」
『うるさいのが来た……』
「なんでアンタたちは何もしてないわけ!?」
掃除をしている様子もなく、寮生達を見張っているだけの兄たちを見てアゼルはキレ気味に問いかける。
「オレとジェイドはアズールに言われた仕事をしてるだけだしぃ〜?」
「ズルい!私たちもアズールさんのお手伝いがいいー!」
フロイドとアゼルが言い争っていると、ジェイドがアビスに話しかける。
「それはそうとアビス。
その体操服は僕のものでは?」
『そうだけど?』
悪びれなくそう言うアビス。妹が兄の物を無断で使用するのは、どの世界も同じようなもの。
アビスも例に漏れず、ジェイドの体操服を自分風にアレンジして着こなし「似合ってる?」と小悪魔な笑みを浮かべてジェイドに問いかける。
ジェイドは困ったような笑みを浮かべて「えぇ」と縦に頷いた。
「あ、そうだ。床磨き用のワックスがもうないの。
購買に買いに行きたいから、お金頂戴」
『喉も渇いたしぃ、お兄ちゃんの分も買ってきてあげるからお小遣いもちょ〜だい♪』
アビスとアゼルが催促するように手を差し出せば、ジェイドが「仕方がないですね」というような顔で財布を渡す。
「経費で落としますので、ちゃんと領収書を貰ってきてくださいね」
「ついでにキャンディ買ってきて〜」
『「はぁ〜い♪」』
アビスとアゼルは財布を受け取ると、嬉しそうに小走りで購買へ向かった。
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作者名:もぶピ | 作成日時:2023年7月22日 15時