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その後、アズールは戻って行ってしまい、アビスとアゼルは仕事を再開する。
騒動も収まり観客も落ち着いた頃、ようやくマジフト大会が始まった。
「思わぬハプニングに見舞われましたが、皆さん長らくお待たせいたしました！
ナイトレイブンカレッジ、寮対抗マジカルシフト大会！開幕です！！」
アナウンスが流れ、観客は大いに盛り上がりを見せる。
「大会開催を祝し、エキシビジョンマッチを行いたいと思います！」
プログラムにない演目に、アビスとアゼルも仕事を放棄しグラウンドに目を向ける。
そこにはサバナクロー寮生と、みたことのない生徒数名と魔獣にゴーストという、何とも不思議な組み合わせのチームが立っていた。
『あれ誰？』
「体操着の色的に、ハーツラビュルじゃない？
……ん？ちょっと待って」
アゼルが突然険しい目付きになり１人の生徒を凝視し始める。
『どったのアゼル？』
「ちょ、ちょっとあの女！まさか例のオンボロ寮の監督生じゃないの！？」
『は？』
今日までマジフト大会の準備で忙しかったため目にする機会がなかったが、一目みてその女が噂の監督生だと気付く。
魔獣の次に小さな身体に、遠目からでもわかる丸い目。
良く言えば守りたくなる小動物のような女の子だった。
『アレが？いや、子どもじゃん』
「アズールさんは、気にするような相手じゃないとは言ってたけど……」
「あの小さい子、女の子だよな？必死に走ってて可愛い〜」
「頑張れ〜！あ、転んだ。可愛いなぁ〜」
観客が監督生を見ては口々に「可愛い」と和み、売り子として近くにいるアビスとアゼルには目もくれなくなった様子を見て、２人の鋭い眼差しに静かな怒りが浮かんでいく。
『……アゼル』
「えぇ……いつも通り、邪魔なものは消してしまいましょう」
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年7月22日 15時
