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「アビスさん！アゼルさん！大丈夫かい？」
『平気でーす』
「えっ、リエーレ王子？」
アゼルはリエーレ王子がいたことに気付いていなかった様子で、顔が引きつっている。
「どうやら、もう安全みたいだね。
怖くなかったかい？」
リエーレは年下であるアビスとアゼルを気に掛けるような口ぶりでそう言うが、２人は「あ、大丈夫です」と一歩引く。
「リエーレ王子！」
「あ、やばっ」
その時、リエーレ王子の護衛と思われる者達がリエーレを見つけ駆け寄ってきた。
「こちらにいらっしゃったのですね。
全く、心配しましたよ。突然何も言わずにどこか行かれてしまうので」
「ごめんなさい。すぐに戻ろうとしたんだけど、知り合いの顔を見つけてね」
そう言うと護衛たちはアビスとアゼルに気付く。
反応から見るに、良い印象は持っていない様子で怪訝な顔を向けてくる。
「リーチ家の娘たちですね」
『へぇ〜、あたしらのこと知ってんだぁ』
「光栄ですわ」
鋭い歯をちらつかせながら笑みを浮かべる双子に、護衛たちは目を逸らす。
「王子、席へ戻りましょう。
またいつ誰が暴走するかわかりませんので」
「わかったよ。ごめんね、アビスさん、アゼルさん。
また今度ロイヤルソードアカデミーにでも遊びにおいで」
リエーレ王子はそう言ってロイヤルゲスト専用の席へと戻っていった。
「王子……お言葉ですが、友人は選んだ方がよろしいかと。
女性とはいえ、ウツボの人魚たちは揃って獰猛ですから」
「彼女たちはそんなことないよ。
どこにでもいる普通の女の子だ」
「はぁ……王様がこれを知ったらなんと言われるか……」
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年7月22日 15時
