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「アビスさん…だよね？」
『ごきげんよぉー、リエーレ王子』
アビスの目の前に現われたのは、煌びやかな白い制服によく映える赤く鮮やかな色が印象的なアビスとアゼルの故郷の王族である、リエーレ王子だった。
「こんなところで君と会えるなんて思わなかったよ。
ここで何を？」
『見ての通り、売り子のアルバイト中ー』
ドリンクサーバーを見せながら端的にそう言うアビス。
「陸にいたなんて知らなかったな。
てことは、陸の学校に通っているの？」
『んーん。アズールさんの店手伝ってるからガッコーは行ってないけど』
Aがアズールの名前を出せば、リエーレは「あぁ…」と少し狼狽える。
「アズールくんか……そういえば、君のお兄さんたちと仲良かったよね。
今でもそうなんだ」
『んじゃあたし、仕事中だからー』
そう言って立ち去ろうとした時、アナウンスが響く。
時計を見てみれば、入場行進が始まる時間になっていた。
「あ、始まるみたいだね」
今年から入場行進があることは事前にアズールから聞いていたアビスとアゼル。
一番に入場し始めたのは、昨年の優勝寮であるディアソムニア寮。
コロシアムにいる観客は中継にてその様子を映像で見ている。
すると、歓声に混じって地響きのような音が学内中に轟き始めた。
「ん？なんの音だ……？」
「な、なんだあれ！？パレードめがけて突進してくる奴らがいるぞ！？」
コロシアムにいる観客たちは、映像で流れている光景に唖然としていた。
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年7月22日 15時
