モストロ・シスターズでぇす【ツイステ】 (ページ19)

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「Hey!！Mr.Sのミステリーショップへようこそ！

これはまた珍しいお客さんだ」

店の中に入ると、中は外観から予想できるほどのスペースで、魔法道具や綺麗な石、謎の髑髏の置物など学園の購買部にしては異様な品揃えで、用途のわからない物が数多く陳列している。

店の奥、レジの前には店の雰囲気に合った若くお洒落な店主の姿。

ドレッドヘアーと継ぎ接ぎ模様のシルクハットが特徴的で、店前にあった不気味な人形と同じ顔をしたブローチがこちらを見つめている。

「こんにちはサムさん。

今日はうちの新しい従業員に校内施設の案内をしていたところでして。

お前達、こちらがこの店の店主のサムさんです。挨拶を」

『アビスで～す』

「アゼルです♪」

「なるほど。キミたちが最近小鬼ちゃんたちが話している『モストロ・シスターズ』かい？

中々キュートな従業員をゲットしたねぇ？」

サムがそう言えば、アズールは誇らしげに「そうでしょう」と笑みを浮かべる。

「うちでも働いてほしいくらいだ。

華やかでお洒落な専用の衣装も用意するけど、どうだい？」

『え、可愛い衣装着れんの～？』

「それはちょっと気になるかも」

二人がサムの誘いに釣られそうになっていると、アズールは少し面白くなさげな表情で「お前たちっ」と呼びかける。

兄たち同様、扱いづらいこの姉妹を手懐けるため、”自分へ向けられている好意”という不確定要素を宛てにしてしまっている以上、いつどんな要因でこの優秀な人材を失うか気が気でないアズール。

そんなことを考えているアズールの気持ちを察しているのか、アビスとアゼルはお互いの顔を見合わせ形の良い唇を釣り上げ笑みを浮かべると、両サイドからアズールに抱きついた。

『ごめんね～、あたしらアズールさんが一緒じゃなきゃ働かねーの』

「ライバルに手を貸すほど、私たち優しくないんです」

「これはこれは……モテモテだねぇアズールくん♪」

「……そうでしょうか」

サムにそう言われ、アズールは少し照れ隠しに眼鏡をクイッとあげた。