１８ ページ18
アズールの仕事がようやく終わり、アビスとアゼルはアズールに連れられ購買部にやってきた。
「購買部はここです。
基本的に仕入れなどは麓の街か業者を呼んでいるのですが、万が一材料などが足りなくなった場合に使用することもあるので、しっかり覚えていてくださいね。
……聞いていますか？お前たち」
アビスとアゼルは片腕ずつアズールに抱きつきながらもなぜか目が険しく、まるで獲物を探すハンターのように眼光を光らせ周りを見ている。
「アビス、例のオンボロ寮の監督生って女、そっちにいそう？」
『ぜ〜んぜん。男しかいない』
アズールと双子たちの周りには、男子生徒たちがこちらに注目している。
端から見れば、アズールが双子の美人を侍らせているようにしか見えず、そんな話し声がチラホラ聞こえてくる。
「あれ、オクタヴィネルの寮長だよな？」
「女侍らせて購買に行ってんぞ……チッ、見せつけてんのかよ」
周囲からの妬み嫉みが聞こえてくる中、アズールは双子を連れ購買部の方へと歩いて行く。
不気味な民族人形のような置物が扉の方へと立ち並び、「Mr.Sのミステリーショップ」と書かれた看板を見ると、アビスとアゼルもようやく興味が購買部の方へと向く。
「二人とも、ここが購買部ですよ。
ここの店主は中々のやり手でしてね、品揃えに関しては右に出る物はないでしょう」
『ふぅん……アズールさんがそこまで言うなんて』
「期待しちゃいますよ？」
アズールは小さく笑うと、店の扉を開いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年7月22日 15時
