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それから数日が経ち、『モストロ・シスターズ』の話は新入生たちに瞬く間に広まった。
校内カフェ『モストロ・ラウンジ』で働く、瓜二つの美人姉妹。
男子校で出会いのない若者たちにとって、彼女たちの存在がいかに大きいか、それはアズールのここ最近の機嫌の良さを見ればわかることだろう。
「入学式からすでに１週間が経っているというのに……
我がラウンジは相も変わらず赤字知らず！
これも女に飢えた間抜けなカモ…いえ、新規のお客様が次々と増えているおかげですね！」
機嫌良く高笑いしているアズール。
そんなアズールを見て同じように嬉しそうに笑みを浮かべるアビスとアゼル。
『アズールさんちょ〜ご機嫌じゃん♪』
「海も陸も、アズールさん以外のオスってほんとにバカばっかりだもんね〜
母さんの言った通りだったわね」
『ちょ〜っと良い顔して接客しただけで鼻の下伸ばしちゃってさぁ〜』
アビスとアゼルの絵に描いた悪女のような言動にアズールが「お前達…」と静かに呼びかけると、アビスとアゼルはアズールを見つめ口を閉じる。
「お前達……どこで誰が聞いているかわからないんですよ。
そういう話は……もう少し小さな声でお願いします。
お前たちの声は、美しく透き通った高い声ですから、部屋を閉め切っていてもよく通ってしまう」
発言を咎めるわけではなく、あくまで誰かに聞かれるとマズいということを二人に告げた。
アズールがそう言えば、アビスとアゼルは目を細め口角を上げ笑みを浮かべた。
『「は〜い♪」』
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年7月22日 15時
