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「え、えっと、Aさん……？」
『ごめんなさい。
アイドルに……ましてや学生に手を出してしまうなんて……』
「い、いやいや、別に手は出されてませんよ！？」
青葉が必死に昨晩のことを話し、ようやくAの誤解も解ける。
『つ、つまり、昨日ソファで寝ていた私を部屋まで運んで、帰ろうとしたら私がつむぎ君を布団の中に引きずり込み、そのまま抱き枕のようにして寝てしまったと……』
「はい……Aさんもお疲れでしょうし、起こすのも悪いと思って、力が緩まるまで待っていたんですが、俺もそのまま寝てしまったようで……」
『「すいませんでした……」』
二人して正座の状態で向き合いながら謝罪の言葉と共に同時に頭を下げる。
その時、Aのスマホが布団の中で鳴っていることに気付く。
『こんな朝から誰……って、零ちゃん？』
零からの着信で思わず通話ボタンを押したA。
『零ちゃん？おはよう、珍しいね、こんな朝早くに。
……え？うん、別に大丈夫だけど、何かあった？
ふぅん……私の声が聞きたかっただけ？
もう冗談に付き合ってる場合じゃないってのにこっちは！
……あ、いや、別になんでもないよ！？
ほんとだって！心配するようなことはなんにも！
じゃ、じゃあ私仕事しなきゃだから切るね！じゃ！』
Aはそう言うと通話を無理やり切った。
「あ、あの……零くん、大丈夫ですか？」
『零ちゃんは妙に勘が鋭いから、余計なこと言わないようにしないと』
「そうですね。こんなことがバレたら、俺が爪弾きにされちゃいそうですし……」
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年3月7日 1時
