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やっとの思いで集合場所に到着した頃には、とっくに時間は過ぎており、大神やあんずたちは待ちぼうけを食らっていた。
「お〜い、皆の衆♪何やら楽しげじゃのう、朝からそんなに飛ばしておるとすぐにヘバッてしまうぞい？」
羽風に運ばれて多少体調が回復した零は、呑気な顔をしてその場に現れた。
「あっ、吸血鬼ヤロ〜！当たり前のように遅刻してくるんじゃね〜よ、途中で行き倒れてんじゃないかと思って心配しただろ！」
「ふふ。実際、途中で何回か直射日光がきつすぎて帰りたくなったんじゃが……
おぬしらだけだと天祥院くんに手玉に取られそうじゃし、がんばって歩いてきたぞい」
「半分も歩いてないでしょ、朔間さん。
Aさんに頼まれなかったら、ここまでしなかったんだからね」
『ありがとう、羽風くん。今度お礼しなきゃね』
Aがそう言えば、羽風は「ほんと？」と嬉しそうに笑みを浮かべる。
「あぁ、羽風先輩。衣更先生も……３人で一緒に来たんだな。
『fine』はこのちいさい子以外は姿を見せていないが、他のメンバーがどこにいるか知っているか？」
少し視線を落とせば、そこには『fine』の姫宮が腕組みをしながら立っている。
『今回の旅行の企画者の伏見くんと英智くんは、先に空港で手続きをしてから船でこっちに向かうらしいけど……
日々樹くんは何の連絡もないね。
零ちゃんみたいに暑さに弱くて倒れてる……みたいなことになってないといいけど』
「日々樹くんかえ？あれは殺しても死なんし、その心配はせんでも大丈夫じゃと思うぞい」
「Amazing！お褒めに与り光栄です！
そうっ、私は誰かに求められるかぎり永遠に死ぬことも赦されない哀しき道化……☆」
どこからともなくAと零の背後に現れた日々樹。
日々樹の神出鬼没には慣れっこの零とは違い、Aは肩をビクッと揺らした。
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年1月6日 13時
