【あんスタ】貴方の愛を求めます４【朔間零】 (ページ25)

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学院祭も終わり、季節もすっかり夏。

太陽が最も地球に近づくこの季節になると、吸血鬼だろうと人間だろうと、皆等しく体力を奪われていくというもの。

ジメジメとした暑苦しい梅雨の時期も過ぎ去った晴れ間のこと。

夢ノ咲学院にて、休憩時間にあんずがAのもとへ訪れた。

そして、衝撃的なことを告げる。

『『S1』のドリフェスを企画することになった！？』

「は、はい……今朝、天祥院先輩に頼まれまして」

驚いて思わず大声をあげてしまったが、すぐに冷静さを取り戻す。

『まぁあんずちゃんもいつまでもアイドルのマネージャーみたいなことばっかりしてても何も学べないだろうし、良い機会ではあるけど……

それでも、いきなり『S1』って……英智くんに文句の一つでも言いたいところだけど、今は時間がないもんね。

とりあえず、あんずちゃんが考える企画案を出してみようよ。

まずはテーマと全体の規模感、そこから予算の設定、ステージのデザインと具体的な設営とか諸々考えないとね』

「私にできるでしょうか……」

突然、『S1』の企画などと責任重大な役を与えられ不安を感じないはずがない。

その不安そうな顔を浮かべるあんずが、音楽プロデューサーとして活動すると決めた頃の自分と重なった。

『大丈夫。まずは協力者をたくさん集めてみようよ』

「協力者、ですか？」

『何も独りで頑張ることないでしょ？

この学院にはプロデューサーはもともといなかったし、自分で企画したりするのは慣れてる子たちが多いはずだよ。

なにより、『S1』はアイドルたちの舞台。意見を聞き入れたりするだけでも、十分君の助けになる。

それに、何があっても私がついてるしねっ♪』

自信満々に的確なアドバイスをくれるAを見てやる気が出たのか、あんずは元気に「はい！」と返事した。