干からびてしまう前に【ヒロアカ】 (ページ10)

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それから時は過ぎ、季節は桜の舞い散る春になり、どこも新学期を迎える。

そして今日は、雄英高校の入学式だ。

ヒーロー科１年生たちが教室に集まった。

「あれ？お前水姫じゃん！！俺のこと覚えてる！？」

靴箱のところで突然話しかけられたかと思えば、そこには入試の時に知り合った上鳴がいた。

『覚えてるよ。上鳴くんでしょ？』

「よかった～覚えててくれて！

でもよかったぜ！知り合いが１人いてくれてさ！もう心細いのなんのって。

あ、そだ。お前にまた会えたら言おうと思ってたんだけどさ。

入試の時はサンキューな。あの後お前が助けてくれたって聞いてさ」

『ううん。君こそ、フラフラになってまで僕を守ってくれてありがとう。

とっても嬉しかったよ』

「そ、そーおぉ？」

上鳴は素直にお礼を言われて照れくさそうに笑っていた。

そして２人で話ながら教室へと向かう。

「マジ！？同じクラスとかもうこれ運命じゃね！？」

『あはは、そうかもしれないね』

「でもおまえ、こうして男子の制服着てるの見ると、やっぱ男なんだな～」

しみじみとそう言いながらAを見る上鳴。Aはそれに対して苦笑いを浮かべるだけだ。

そしてＡ組の教室にやってくると、これからクラスメイトとなる者達が一斉にこちらを見てくる。

お互い、どんな奴がクラスメイトになるのか気になるのだろう。

「わぁ……めちゃくちゃ可愛い子来た…」

「え？制服男もの？じゃああの人、男子…！？」

「いや、男装趣味の女子の可能性も……！」

「顔小っさ、髪さらっさら、まつげ長っ……」

周りの者たちは、しばらくAをガン見していた。