干からびてしまう前に【ヒロアカ】 (ページ45)

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オールマイトの到着には、生徒ら全員が安堵したことだろう。

目にも止まらぬスピードで敵と戦う姿は、遠目からでも凄まじい迫力だった。

『凄い……あれが、ナンバー１のヒーロー……』

「水姫くーん！」

名前を呼ばれ顔を上げると、こちらに向け手を振っている麗日たちの姿が見えた。

無事を知らせるためにも、Aは手を振りかえした。

その時、麗日たちの顔が焦り始めた。

『？』

「水姫くん！！後ろ！！」

そう言われて後ろを振り返ると、残っていた敵がAに襲いかかろうとしていた。

「くたばれぇ！！」

『わっ！？』

敵の攻撃をギリギリで躱すA。毛先が数ミリ程度切れたこと以外は無傷で距離を取る。

『なんだ、てっきり全員オールマイトにやられたと思ってたのに…

逃げてもいいけど……ここで逃げたらあそこにいる皆も巻き込んじゃうしなぁ』

「逃すかよ！！」

再び襲いかかろうとする敵をアクロバットな動きで躱せば、簡単に敵の背後を取ってしまう。

『逃げないよ。心配しなくても』

そう言った次の瞬間、Aの”個性”で操られた水が敵たちを巻き込み、そのまま地面に水圧で叩きおとした。

『近くに水難エリアがあってよかった。

水があれば僕は誰にも負けない』

びしょ濡れ状態で気絶している敵をそのままに、Aは皆のもとへと戻って行った。