干からびてしまう前に【ヒロアカ】 (ページ34)

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午前中の授業を終え、Aは上鳴と切島と共に食堂にて昼食を取りに来ていた。

「やっぱランチラッシュの作る飯はサイコーだよな！」

「雄英に入学できた特権だもんな～」

『美味しいものでお腹いっぱいになれるなんて、幸せだよね～』

その時、校舎全体にけたたましい警報音が鳴り響いた。

〈セキュリティ３が突破されました。

生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難してください〉

「３！？」

「は、早く逃げよう！！」

周りに座っていた生徒達が次々と慌てて逃げて行く。

『セキュリティ３？』

「それって何なんスか！？」

「校舎内に誰か侵入してきたってことだよ！

３年間でこんなの初めてだ！！君らも早く！！」

教えてくれた上級生も、急いで食堂から屋外へ出るために出口へと走って行く。

「俺らも行こう！」

「お、おうっ……」

『何が侵入したんだろう……』

Aたちも人混みに流されるように避難を始めた。

しかし、思いのほか生徒達でごった返しており、皆はパニック状態に陥っていた。

「皆さんストップ！！ゆっくり！！ゆっくり！！」

「んだコレっ」

『ぅわっ…！』

「「水姫！？」」

人混みに押されて体勢を崩してしまい、Aは人の波に呑まれ窓際まで流れてしまった。

『う…これじゃあ避難どころか怪我人が出るんじゃ……』

そう思った時、ふと目線を外に向けると、今朝門の前にいたマスコミ集団が雄英の敷地内に入り込んできていた。

それを相澤とプレゼントマイクが対応していた。

「オールマイト出してくださいよ！！いるんでしょう！？」

「非番だっての」

「それに水姫さんの娘(・)さんもいるんですよね！？ぜひお話をっ！」

「そのような生徒はいない」

「嘘つかないでください！今朝見かけたんですから！！」

『……マスコミの仕業だったの？』

その時＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「皆さん…大丈ー夫！！」

大きな声がして目線を上に向けると、そこには非常口の標識のようになっている飯田がいた。