干からびてしまう前に【ヒロアカ】 (ページ31)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:141,408 hit

３１ページ31

「ねえねえ！お兄さんのオフショットとかないの！？

そういうの超見たーい！」

「水姫ん家、ぜってーデカいっしょ！

今度遊びに行っていい？」

『え……』

グイグイ距離を詰めてくる二人に困惑するA。

「二人とも！水姫くんが困っているだろう！」

「そうですわよ。それに、芸能人の方々でもプライベートは尊重しませんと」

「えー！こういうのって友達になった特典みたいなもんじゃん！！」

「そうそう！聞いたところで言いふらしたり、水姫との関係が変わったりするわけでもねぇし！

なっ！」

二人のその言葉に、Aの心はフワッと少し軽くなった気がした。

『関係が変わるわけじゃない、か……

ふふ、本当に面白いよね、君たち』

「へ？面白いか？」

『普通、僕の親のことを知ったら、逆に遠慮するものじゃない？』

上鳴たちはそんなことは微塵も考えなかったのか、頭には「？」が浮かんでいた。

そんな顔を見て、Aは思わず吹き出すように笑ってしまう。

『ふはっ！いいよ、何でも聞いてくれて』

「おぉ！マジ！？」

『でも……ホームルームが終わってからね』

「え？」

Aがそう言うと、上鳴たちは背後から感じる威圧を感じて振り返った。

「チャイムが鳴ったら席につけ」

背後にはいつの間にか相澤が立っており、皆は急いで自分の席に座った。

『(ふふ、もう少し様子見でいいかな)』