干からびてしまう前に【ヒロアカ】 (ページ24)

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それから順番に訓練を続けていき、次はAたちの番となった。

Aと蛙吹はヒーロー役で、敵役が準備を終えるまで外で待つことに。

「今のうちにお互いの”個性”について把握しておきましょう。

私の”個性”は『蛙』。壁にくっついたり、舌を最長２０ｍまで伸ばせたり、高く跳んだりできるわ。

あとは、胃袋を出して洗えたり、ちょっとピリッとする程度の毒性の粘液を分泌できたりするわ」

『わ～多彩。じゃあ次は僕の番だね。

昨日の持久走の時に、僕の”個性”は見てたよね？』

「えぇ。人魚になれるなんて、とっても夢がある”個性”で驚いたわ。

それに水を生み出して操れるなんて」

『正確には少し違うんだけどね。

でも梅雨ちゃんは同じチームだし、特別に僕ができること、全部教えてあげるね』

そう言って人差し指を口元に近づけ微笑む姿はとても妖艶なものだった。

『まず、水中に入ると人魚になって水中を自在に泳げるようになる。速さだけで言うと……飯田くんくらいは出るかな。

でも人間に戻る時には、変身していた時間と比例してしばらく歩けなくなるっていう弱点があるんだよね。

あと、さっき「水を生み出す」って言ってたけど、正確には「空気中などの水分を集めて操ることができる」が正解かな』

「それでもすごいわ。水があるだけで恐い物なしね」

『でしょ？そして、これは僕が一番好きな能力。

僕の歌声を聴いた人達はね……みんな何も考えられなくなっちゃうんだ』

そう言って笑みを浮かべた瞬間、スタートの合図が鳴り響いた。

『始まったね。でもお互いの”個性”は把握できたことだし……

サクッと勝っちゃおうか』

「何をするの？」

『ふふ、耳塞ぎながら僕についてきてね』

そう言うと、その場に美しい歌声が響き渡った。