怖がりな雪の王様４【ツイステ】 (ページ20)

今日:5 hit、昨日:19 hit、合計:77,282 hit

１７０ページ20

「ところで、カリムさんはどこにいらっしゃいますか？

魔法の絨毯をお届けにあがったのですが……」

アズールが話を戻すと、ジャミルもハッと我に返ったようにいつも通りに接する。

「えっ、あ、ああ。届け物なら俺が預かろう」

「いえ！結構。この魔法の絨毯は国宝級の逸品です。

後々傷などが発見されて「オクタヴィネルの奴らのせいだ」などクレームをつけられては困りますから」

絨毯を受け取ろうとしたジャミルを拒むようにアズールが立ちはだかる。

「直接カリムさんにお渡しして、しっかりと検品して頂きたい」

「カリムはそんなことは気にしないはずだ。

だから俺が預かって……」

「ご安心ください。落とし物の２０％にあたる報労金を要求したりもしませんから」

ジャミルの話など聞いていないかのように笑顔でそう言うアズール。

「昨晩スカラビアのみなさんに働いた無礼についてもお詫び申し上げたいですし」

「手土産のシーフードピザも持って来たしぃ」

「とにかく、絶対に直接会ってお渡ししたいのです。

彼はもう起きていらっしゃいますよね？」

「だから、今日は都合が悪いと…………

勝手に入っていくな！アズール！」

ジャミルが話し終える前に、アズールはズカズカとスカラビア寮内へ入っていってしまう。

その後ろをジャミルが追いかけ、更にその後ろからリーチ兄弟たちもついていくことに。

「さ、ユウさんも参りましょう」

「クマノミちゃんも、遅れないで付いてきてねぇ」

ようやく解放され話すことができるようになったイアン。

「ぷはっ！はぁ～……何だって言うんだよもう～……」

「ご、ごめんイアン。とりあえず今はこの人たちは味方だから安心して」

「味方とか敵とかどうでもいいけど……ちゃんと後で事情は話してもらうからな？」

イアンはAに連絡することさえ忘れ、ユウたちについていった。