リリアの娘がオバブロする話【ツイステ】

２　本編 ページ2

季節は冬。シンシンと積もる雪で、茨の谷の森は白銀の世界へと化す。


そして冬と言えば、学生達の待ちに待った長期休暇、ウィンターホリデーがやってくる。


全寮制の魔法士養成学校、ナイトレイブンカレッジの生徒たちは、闇の鏡を通って地元へと帰っていく。


誰もが久し振りの我が家に浮かれ気味だった。


しかし、そんな中１人、ふてくされた顔のまま帰ってきた者がいた。







「せっかくのホリデーだと言うのに……僕のところには今年もホリデーパーティーの招待状は一通もなしか」


「そう急くなマレウス。ホリデーはまだ始まったばかりじゃろう」






拗ねた顔をして帰ってきたのは、茨の谷の次期領主のマレウス・ドラコニア。

そしてそれをなだめるは、お目付役のリリア・ヴァンルージュ。茨の谷の、元近衛兵だ。






「……”アイツ”はどうしている？」


「さぁな。シルバーからの手紙では、相も変わらず夜中に遊びに出かけとるらしいが」


「止めないのか？」


「娘というものは難しい生き物じゃ」







リリアは困ったように溜息をつくと、マレウスを城に送り届け女王と話した後、自宅へと帰っていった。

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