不本意な玉の輿２【ツイステ】 (ページ13)

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外に出たA。

夕方から始まったはずなのに、外はすでに月がハッキリと見えるほど暗くなっていた。

夜風が虚しくAのドレスを揺らす。

『……私、何してるんだろう』

頭が冷えたのか、冷静になったAは自分のやっていることがわからなくなってくる。

『どうでもいいはずなのに、なんでここまでして……』

小さな池には自分の姿が反射して見える。

綺麗なドレス、髪型、化粧。この場に見劣りしない綺麗な姿に、頭が混乱してくる。

『自分じゃないみたい……

……もう、帰ろうかな。きっと何を言っても虚しくなるだけだろうし。

遊ばれてただけなら、もうそれでいいか。

自意識過剰って思われても面倒だし』

そう思って踵を返し帰ろうとした時、目の前に小さなライオンの子供がいた。

『？』

「あれ？おねーたん、おじたんに会いに来た人？」

『おじた……えっ？』

その子ライオンはAの元へてくてくと近づいてくる。

Aは反射的に一歩後ずさる。

「僕、チェカ！おねーたん、ここで何してたの？」

『私は、もう帰ろうかなと……』

「どうして？まだパーティー終わってないよ？」

『……いいのよ、もう。レオナくんの幸せそうな顔なんて、何だか見たくないし』

Aは城の中にいるレオナを見てそう呟いた。

「でもね、おじたん、お家に帰ってきてからずっと悲しそうな顔してるんだ」

『え？』

無理やり婚約させられる怒りで機嫌が悪いとかなら理解できるもの、「悲しそう」というのはイマイチ理解できなかった。