星の涙 (テガミバチ) (ページ11)

今日:16 hit、昨日:1 hit、合計:3,908 hit

9 ページ11

ゴ「ジョゼの白砂漠に咲くチップ花の綿毛だ…山道ももうすぐ終わりですね」

ラ「「光」が…あんなに遠く…！」

ほんとだ…

ラ「…どうだっていいっ…テガミがなんだよ…！」

ゴ「ラグ…」

ラ「じゃあおかあさんは…！？
どこに出せばおかあさんに届くんだよ！？
…キャンベルに着いたら…ぼくは…おかあさんとは二度と会えないんだぞ！
これからゴーシュはアカツキで働くんだろ…！？」

ラ「ぼくも､ぼくたちも首都へ！アカツキへつれていってよ！ゴーシュ！」

お兄ちゃん…無理だよ…

ラ「アカツキに行けば奴らが誰なのかつきとめられるし…
おかあさんをさがして…連れもどしてやる…！
ねえ！いいだろ！アカツキまで連れていってよ！」

ゴ「ラグ…君はこのヨダカで…政府に貢献して国が発行する「通行許可証」を手に入れなければ､ユウサリ地方への橋を渡ることは出来ません
さらに首都アカツキへと通行証が与えられるのは､階級ポイントの高いひと握りの選ばれた人間達だけなのです」

ラ「だ…だって…ゴーシュだってそれを持って…」

ゴ「心弾でぼくの記憶や意識にかるく触れただけでしょう？
そのせいでこんなバカなことを言い出すのかもしれませんが
その程度では君には理解できない…
分かるはずがない…
この「首都通行証」の重みはね…」

ゴーシュはそんなに頑張ったんだね…

ゴ「ぼく自身もアカツキ勤務でさらにポイントをためなければ家族すらアカツキには入れないのです
妹もしばらくはユウサリで一人暮らさなければ…」

「…じゃあ…どうしてお母さんはアカツキへ行ったんだろう？」

ゴ「分かりません…しかし本当に橋を渡れたならそう悲観的にならなくてもいいかもしれません」

ラ「でも…！」

ゴ「言ったはずですラグ・シーイング
きみの事情はぼくには関係のないこと
友人のようにきみ自身の力になってあげることは出来ないのです」

それって…

ラ「友…達には…なれない…ってこと…？」

ゴ「テガミであるきみ達を無事に…特に「ワレモノ」指定なので傷ひとつつけないようにキャンベルまで届けること…
それがぼくの仕事の全てですから」

…そっか…

ラ「おまえもっ…テガミバチも
だいっきらいだ！」

ゴ「好きになってもらわなくてけっこうです
それはぼくの仕事ではありません
さあ…もう眠って…明日はいよいよキャンベル到着を目指します
こころと身体を休めて下さい…」

「…おやすみ」

…寂しいね