噂の七不思議”零番”は《地縛少年花子くん》 (ページ4)

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一話　転校生ページ4

Nosibe

-♪キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン♪-

朝が来た｡生徒たちが次々席へ座っていく

「は～い席に付け～」

先生が来たようだ

-ｻﾞﾜｻﾞﾜｻﾞﾜｻﾞﾜ-

「今日は転校生を紹介するぞ｡入ってこ～い」

転入生と思われる女子が入ってきた

スラッとした体型に可愛い顔立ち

そしてキラキラ輝く細い絹のような真っ白な髪

生徒たちから見た､そんな彼女のの第一印象は“天使”だった

『…』

「自己紹介お願いできるか?それと､黒板に名前も書いてくれ」

-ｽﾗｽﾗ-

黒板に整った綺麗な字が書かれていく

『はじめまして｡私の名前は緑川零といいます｡仲良くしていただけたら幸いです｡
　これから宜しくお願い致します』

彼女の薄く､ほんのりと赤い唇が開いた

彼女の口から発声された言葉は鈴を転がしたような…それでいて安心するような音だった

-ｻﾞﾜｻﾞﾜ-

「わぁ…!可愛い子だなぁ…」

一人の少女がそう呟いた

「ん?そんなに話したいのか“八尋”?なら､まずはお前から質問していいぞ」

さっき呟いた少女…八尋寧々が呼ばれた

「えっ!?わっ私ですか!?えっと…どっ!どこの席に座るんですか!?
　あの､私の席の横空いてるので…その…もしよかったら…えっと」

緊張して上手く話せないのだろうか?言葉がつっかえて出てこないようだ

『ありがとうございます｡八尋さん｡
　それでは､八尋さんの横に座ってもよろしいでしょうか?先生｡』

「あぁ､勿論いいぞ」

-ｻﾞﾜｻﾞﾜｻﾞﾜ-

どこかから“羨ましい”､“いいな”などという妬みの声が聞こえてくる

ただし､生憎八尋も大事なチャンスを逃すほどお人好しではない

「こっ､こっちにどうぞ…!!」

嬉しそうに自分の横にある机の椅子を引き､転校生を待つ

-ﾃｸﾃｸﾃｸﾃｸ-

転校生が八尋の前についた

そしてその唇が開き､声を発した

『…これから宜しくお願いしますね?八尋さん』

ニコッと微笑んだ彼女の顔に一瞬黒い笑みが重なって見えたのは見間違えだろうかだろうか?

それとも…