透明なグレー.TH (ページ22)

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はは…

ほんと言うこと聞かないし愛に飢えた子供だった

テヒョン！

あの時のAを覚えてる…

また来てくれないかな

そんな都合のいいことないか

ポタ…

こうなるのは分かってたのに涙が出る

俺の名前を呼んでほしい

俺の名前を呼んで

高校生にもなって涙でぐちゃぐちゃ

みっともない

だけど止まらない

ー
ーーー
ーーーーーーー

長い時間泣いていたのだろうか

泣きすぎて肺が痛いや

そろそろジミンんち行こ

泣いたら少しスッキリした、

「テヒョン！」

なんかあの時と同じ声が聞こえた気がする

「テヒョン！」

幻聴じゃなかった

「テヒョン急に家出てくし、足は早いし、
はぁ、はぁ…」

あぁダメだ

嬉しいや、Aが来てくれた

込み上げそうになるのをグッと堪える

「テヒョンはさ、私のこと好きなの？
……………………… 姉としてではなく」

『うん、そうだよ』

「あの、あのさ、私
正直言うとまだ飲み込みきれてない」

突然言われたらそうなるよね

「でも、なんというか、テヒョンのことは好きだよ」

自分だって頭の中グチャグチャなくせに

俺が傷つかないよう言葉を選んでる

ほんと優しくて、愛おしい

『ねぇ、A』

「うん？」

『別に困らせたかったわけじゃないんだ
ただ俺がそう思ってるって知っててほしい』

「う、うん」

『Aはいっぱいいっぱいかもしれないけど、
俺はちょっと嬉しいかも」

泣いた跡が残る顔で笑いかけた

Aがこっちを見たまま何も言わない

『A？』

「え？あぁ、うん
ごめんボケっとしちゃって

なんか、
テヒョンがいつもと違って大人に見えた」

『ははっ、
なにそれもう子供じゃないに決まってるよ』

今はこれでいいのかもしれない

受け入れも拒否もされなかった俺の気持ち

いつか本当に断られる日が来ても

その頃には今より大人になって自分で受け入れられるかも

だから今は生温い水に浸からせてほしい

【終】

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