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気付いた時にはカゾクになってた
施設で同じ歳ぐらいの子たちと過ごしてた
けど突然車に乗せられて出会った新しいカゾク
大人の男の人と女の人は最近よく施設に来ては僕に声をかけてた人だった
カゾクは僕に馴染みがない言葉だった
「今日からテヒョンの姉弟だよ」
僕の母親になった女の人が言った。
「よろしくね、テヒョン」
肩くらいの髪に赤いリボンの女の子が僕に言った
僕は
「うん」
としか言えなかったけど、これがカゾクかって思った
はじめのうちはカゾクの優しさに僕は絵に描いた本当の家族のようだと、
嬉しくて仕方なかった
「Aヌナ！」
って呼ぶと君はこっちを向いて
「テヒョン」
って答えてくれる
でもさ、年を重ねていくと物分りが良くなるからさ
「テヒョンくんってパパとママに似てないわよね〜」
その言葉でどんなにカゾクの皆が優しくしてくれても
やっぱり本物の家族じゃないんだなって落ち込んだ
それで寂しい僕はもっと愛情求めた
僕に注目して欲しくてわざと散らかしたり、
大袈裟な怪我とかして帰って心配してもらったり
カゾクを困らせた
それでも僕は止めなかった
終いには君に八つ当たりし出した
だってお母さんに撫でられてる君を見るとイライラしたから
お母さん、僕の方を見てよ
僕のことも撫でてよ
なんかAヌナが邪魔に感じた
冷たくしちゃったりしたよね
でもヌナは僕に優しかった
でもそれが尚更僕を苛立たせた
それで更に冷たくしちゃってさ
ほんと僕って嫌な奴だなって思った
こんな僕のカゾクを困らせる態度は何日も続いて、お母さんが疲れてるのも知ってた
でも僕も止め方が分からなくなってた
ある日、また僕は台所を荒らした
お母さんはいつものように困った顔で
「だめじゃないの」
って笑ってくれるんだと思った
でも違った
お母さん泣いてた
僕は自分がした事なのにどうすればいいか分からなくなって
家を飛び出した
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作者名：麦茶 | 作成日時：2018年3月28日 23時
