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瑞稀「 …… お酒 、まだ選べてないの?」
『 へ?』
瑞稀「 選んでるじゃん 、桃のこれ好きだねー 」
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何を言い出すかと思ったら冷蔵庫の前に置いた
お酒が入ったビニール袋をガサゴソと開いて見ては
桃のチューハイを1つ手にして 。
瑞稀「 作間 、目覚ます前に戻ろう 」
『 え?あ … うん 』
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パソコンを勝手に触った事 、データを勝手に見た事
…… 正直言えば怒られると思った 。
弁解でもするのかと思った 。
なのに 、瑞稀は今あった出来事について
何も触れる様子は無く靴を履こうとしている 。
『 瑞稀 』
瑞稀「 んー?」
『 … 怒らないの?』
瑞稀「 何が?」
靴を履いている瑞稀は私に背中を向けていて
こちらに顔すら向けない 。
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『 勝手にパソコン見た 』
瑞稀「 ……… 」
『 音も聴いた …… あれ 、何?』
勢いで言ってしまえばシンとするこの部屋 。
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瑞稀「 …… ん 、何の事?」
相変わらず此方を見ずに 、靴を履く瑞稀の背中が
これ以上何も聞くなと語っていたから
『 ううん …… 』
私がこれ以上 、口を開けなかった 。
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部屋に戻ると作間くんがゆっくりと体を起こして
まだ飲みますと宣言して 。
そんな作間くんに瑞稀もお酒を渡す 。
瑞稀「 はい 」
『 ありがとう 』
はいっと渡されたのは 、
さっき瑞稀が手にした桃のチューハイ 。
一口飲むと桃の甘さが口の中で広がった後に
お酒の苦味が少し遅れてやってきた 。
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酔いが回った頭でパソコンに入っていたフォルダは
何だったのかと考えてみる 。
部屋の音が全て聴こえた …… 盗聴器?
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龍斗「 Aさん!もっと飲んでください!」
『 あ 、ああ 』
龍斗「 ほら!」
そんな考えが頭を過ぎった時 、作間くんから
お酒を勧められて次々と手に持たせられるお酒を
口にするうちに何も考えられなくなって 。
私は 、お酒の力に負けた 。
その後の記憶は全然無くて 、
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龍斗「 Aさんもう限界ですか!あれ!」
瑞稀「 飲ませすぎ 」
龍斗「 あー … すみません 」
瑞稀「 いや 、良い行動だったんじゃない?」
ちまちまとお酒を口にしつつ 、お酒に負けて
目を閉じ切った私を笑いながら見ていた
瑞稀なんて知らない 。
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hiレベルな小5 - みるるんさん天才ですね(笑) (2020年2月24日 15時) (レス) id: 62d5677c5a (このIDを非表示/違反報告)
ちぇり - 天才か……って思いました。。普段ゴリゴリのハッピーエンドなものばかり読んでいましたが、こういうのもありだなって思いました!!読んでよかったです。 (2019年12月1日 1時) (レス) id: 533c7622c3 (このIDを非表示/違反報告)
もえか(プロフ) - ヒントが鍵になってすごく大切な役割をしていてすごくドキドキしました。今まで読んできた小説の中でも一番ドキドキしました (2019年4月11日 23時) (レス) id: fde18b38d0 (このIDを非表示/違反報告)
静 - 最後の一文は、最後までハラハラしながら読ませていただきました。です。変になってしまい、申し訳ございません。 (2018年8月16日 8時) (レス) id: 649cb61653 (このIDを非表示/違反報告)
静 - 途中で作間くんがテレビの裏を見るシーンがあったのでもしかしたらと思いましたが、まさか本当にそうだとは…最後までハラハラしながらきました読ませていただ (2018年8月16日 8時) (レス) id: 649cb61653 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるるん | 作成日時:2018年3月19日 6時