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「 以前 、井上さんの部屋の前でお会いした時
正直言うと何も知らない伊野さんに … 」









事実を知らせるべきか迷って逃げました 。


そう言う彼女の視線は下を向いている 。







「 あの日 、井上さんの部屋に行くまでは
井上さんに好意を待っていたんです … 」






ロッカーにもたれかかるように立つ彼女 。







「 だから部屋に呼ばれた時は嬉しくて … 」






だけど 、するりと力が抜けたように
ロッカーにもたれかかりながら座り込む 。







「 でも部屋で知ってしまってからは怖くて 」






座り込んだ彼女は私を見上げて
作間くんのような事を言った 。







「 でも井上さんは伊野さんを守ってます 」





だけど 、そう続ける彼女の目は力強くて 。





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「 離れて下さい … 伊野さん自身の為に 」





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最後は呟くように言った彼女 。






『 詳しく 、聞かせてくれないかな?』




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作間くんも 、彼女も
何が言いたいのかわからないの 。




.





「 話します 、井上さんは伊野さんを … 」






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そこまで話した時 、ロッカールームのドアが
音を立てて開いて別の受付嬢が入って来た 。






「 伊野さん 、井上さんがお呼びです 」

『 … わかりました 』

「 至急だそうです 」









それだけ私に伝えて出て行った 。





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至急って事は私にミスがあったのか …
色んな事が過る 。





.




「 タイムアップですね 、行って下さい 」

『 え?』

「 きっと井上さんにバレちゃいました … 」





.





私が話せるのはここまでです 、後はご自分で 。






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ゆっくりと立ち上がってロッカールームを
出ようとする彼女 。






『 ねえ 、待って … 』








そんな彼女を一旦引き止めると
くるりと振り返って 。





.




『 前に作間くんから貴方と同じ事を言われたの 』







作間くんから同じことを言われた 、
そう言っても彼女は驚いたりしなくて 。





寧ろ少し安心したような表情 。






.






『 言ってる事がよくわからなくて … 』




.






話を聞きたい 。


そう言う前にさっきの受付嬢がまた戻ってきて
急かすように瑞稀が呼んでいる事を私に伝える 。








そんな受付嬢を他所に彼女は私の目を見て
はっきりと言った 。







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「 ヒントは …… 耳の長い兎は何食わぬ顔をする 」








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▽→←▽



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hiレベルな小5 - みるるんさん天才ですね(笑) (2020年2月24日 15時) (レス) id: 62d5677c5a (このIDを非表示/違反報告)
ちぇり - 天才か……って思いました。。普段ゴリゴリのハッピーエンドなものばかり読んでいましたが、こういうのもありだなって思いました!!読んでよかったです。 (2019年12月1日 1時) (レス) id: 533c7622c3 (このIDを非表示/違反報告)
もえか(プロフ) - ヒントが鍵になってすごく大切な役割をしていてすごくドキドキしました。今まで読んできた小説の中でも一番ドキドキしました (2019年4月11日 23時) (レス) id: fde18b38d0 (このIDを非表示/違反報告)
- 最後の一文は、最後までハラハラしながら読ませていただきました。です。変になってしまい、申し訳ございません。 (2018年8月16日 8時) (レス) id: 649cb61653 (このIDを非表示/違反報告)
- 途中で作間くんがテレビの裏を見るシーンがあったのでもしかしたらと思いましたが、まさか本当にそうだとは…最後までハラハラしながらきました読ませていただ (2018年8月16日 8時) (レス) id: 649cb61653 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるるん | 作成日時:2018年3月19日 6時

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