▽ ページ11
.
暖かい季節から寒い季節に移り変わろうとしている
この時期 、会社はとても忙しくなる 。
有給消費の関係で休日がズレたり 、
仕事量が増えて残業しないといけなかったり …
だから自然と最近 、瑞稀とは出勤退勤も
別々であまり話せていない 。
.
.
『 やっと終わったー 』
仕事量が多く 、定時をすっかり過ぎてしまって
外は既に真っ暗 。
窓を見ると水滴がついていて
ポツリポツリと雨音が聞こえる 。
『 ええ … 傘持って来てないのになあ 』
天気予報を見る余裕なんて無かったから
持ってくるの忘れてた 。
コンビニでビニール傘を買うしかない …
また家にビニール傘が増えてしまう 。
ちょっと嫌だけど仕方ないか 。
.
ロビーまで降りると受付嬢の方が
私よりも先に仕事を終えていたらしく
お疲れ様です と警備員さんが声を掛けてくれる 。
『 お疲れ様です 』
「 雨 、強まるばかりなのでお気をつけて 」
『 ありがとうございます 』
警備員さんの言う様にさっき窓から見ていた時より
強まっている雨 。
コンビニまで傘は無いから走るしかないんだよね 。
意を決してロビーを飛び出たはずなのに
誰かに肩を掴まれて
「 ちょっ 」
私は未だ濡れていない 。
『 あれ … え 、作間くん?まだ居たの?』
龍斗「 傘も差さないで … 濡れる気でした?」
『 あー … コンビニまでね 』
龍斗「 俺の傘 、使って下さい 」
肩を掴んでは傘を私に渡そうとする作間くん 。
『 いや 、作間くんが濡れちゃうし申し訳ない 』
龍斗「 …… じゃあ 、これは?送ります 」
私に渡そうとしていた傘を差しては
お互いが寄せ合うように肩を抱かれて 。
『 ち 、近い 』
龍斗「 相合傘ってやつですね 」
.
行きますよ って足を進める作間くんに
少しドキッとした反面 、
相合傘の相手が瑞稀だったら良かったのに
って思う私は 、相当失礼なんだと思う 。
こうやって近くに作間くんが居る今でも
瑞稀は雨降る前に家に着いたかな 、なんて 。
『 雨 、早く止むといいね 』
龍斗「 … 俺はずっとこのままでもいいですけど 」
『 やっぱり 、変わり者?』
.
1489人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HiHiJets」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hiレベルな小5 - みるるんさん天才ですね(笑) (2020年2月24日 15時) (レス) id: 62d5677c5a (このIDを非表示/違反報告)
ちぇり - 天才か……って思いました。。普段ゴリゴリのハッピーエンドなものばかり読んでいましたが、こういうのもありだなって思いました!!読んでよかったです。 (2019年12月1日 1時) (レス) id: 533c7622c3 (このIDを非表示/違反報告)
もえか(プロフ) - ヒントが鍵になってすごく大切な役割をしていてすごくドキドキしました。今まで読んできた小説の中でも一番ドキドキしました (2019年4月11日 23時) (レス) id: fde18b38d0 (このIDを非表示/違反報告)
静 - 最後の一文は、最後までハラハラしながら読ませていただきました。です。変になってしまい、申し訳ございません。 (2018年8月16日 8時) (レス) id: 649cb61653 (このIDを非表示/違反報告)
静 - 途中で作間くんがテレビの裏を見るシーンがあったのでもしかしたらと思いましたが、まさか本当にそうだとは…最後までハラハラしながらきました読ませていただ (2018年8月16日 8時) (レス) id: 649cb61653 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みるるん | 作成日時:2018年3月19日 6時