オレンジは酸味と甘みでできている

外面内面 ybar ページ6

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｢…であるから、ここは…えーと…｣


教師と生徒やら
先輩と後輩やら

ステータスと呼ばれる王道恋愛があるなら
これまた少し変わった関係だろうか

｢んー、じゃあここを…1番の有 岡くん解いてみようか｣

｢え、あ、はい、｣

そう俺の事を名指したのは教育実習生の薮先生

ここの学校の卒業生だというセンセイが実習にきたのは先月の頭

ついに今日、学習発表会とやらで先生たちに採点されるのだとか昨日言ってたっけな


｢お、よくできたな、正解｣

クシャッと笑う顔は昨日の夜俺が見た"薮くん"
とはまた違う顔だった


薮先生こと薮宏太は俺の遊び相手
つまり、お金と体の関係ってやつで

ネットで募った俺に丁寧な文に破格の金
そんな彼と会うようになったのはもう随分前のことだった


学校に居る時は センセイ(仮)と生徒の立場でも

数駅分学校から離れてお決まりのホテルで顔を見合わせる時は

不敵な大人の笑みで俺のことを"大ちゃん"と呼びながら組み敷くのだ

そんな外面の薮くんと、内面の薮センセイの
2面性を見て

叶わない恋って存在するんだな

そうおもったのは最近のこと


お金をもらって体を差し出すこの需要と供給があるから相手にしてもらえるのだと思うし

可愛こぶってそばにいたり、サービスと称して時間を伸ばしたり変な所でませた俺の考えは
きっと薮さんにはお見通しなわけで、昨日も

｢ホント最近は俺のことを帰したがらないな｣

そう笑いながら言われた

だからこそ
出席番号1番の有 岡くんを俺は演じて
センセイにだけは好かれようと無駄な努力をしているわけだけど、

｢…はあ…｣

そんなことしても薮センセイは俺の学校から明日いなくなるわけで

このお金と体の関係ってやつもこれから先どうなるかは分からない


…告白、やはりしておくべきだろうか


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