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「…え、なんで…」
「は、っ、は、…見つけた…」
「…だいちゃ、」
「ばか、お前…勝手に振るなよ俺の事、」
違う、
ここまで来てそんなことが言いたいんじゃない
「…俺、もう大ちゃんのこと、」
「涼介、」
なぁ、なんでそんな辛そうなんだよ
そんなに俺は頼りないか?
「きら、…っ…い、」
強がりな君のことも
弱虫な君のことも
もう何年見てきたと思ってんだよ
震えながら俺の事を拒むその体をぎゅっと抱きしめ
「…涼介、俺はお前とこれから先の未来、ずっと1緒にいたい」
「…でも、」
「…俺は、○○が好きなんだよ。お前以外考えられない、だから、俺の嫁になってください!」
「…ばかなの、っ…」
「馬鹿だよ」
「…俺、大ちゃんの仕事の邪魔に、」
「ならねぇよ」
「これからきっと、迷惑ばっか、」
「おう、上等だ」
「でも、俺、」
「あー、もうお前のことまるごと愛してる…信用出来ねぇの?」
「……できる」
「宜しい…んじゃ帰るぞ?」
涼介の手を引いて
懐かしの大きなポスト横の駄菓子屋のベンチに背を向ける
「駄菓子、いいの?」
「電子カード使えっかな」
「....いや、無理でしょ、ふふ」
そう楽しそうに笑ったあと
すいません、とお店の中のおじいちゃんに声をかける涼介
「えーと、これとこれ下さい」
『毎度…随分大きくなったねぇ』
「え、覚えてるんですか?」
『覚えとるとも覚えとるとも…ほほ、昔と変わらず仲が良いな』
「へへ、でしょ?」
得意げに笑う涼介
「ありがと、またねおじいちゃん」
『気をつけてな』
袋をカサリと鳴らしながら
「はい、大ちゃんの嫌いなスモモ!」
「んな、お前、それは無いだろ!」
「はは、だって大ちゃん願掛けしてたもん。スモモ食べたら背が伸びるかも…って…クフフ」
「んな、笑うなよ」
「だって大ちゃんが…ふふ、」
「ちゃんとチョコバット買ったか?」
「買ったよ、ジャーンチョコバット〜」
「ドラえもんかよ」
まるで昔にタイムスリップしたみたいな
そんなあったかい気持ち
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ゆみ(プロフ) - はじめまして♪くじらさんだから描ける明るいだけじゃない、苦かったり酸っぱかったり、リアルなオレンジがとても共感出来て面白く拝読いたしました。次はどの色のお話なのかとても楽しみです(^^) (2019年1月16日 14時) (レス) id: b1371ccaed (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - とっても素敵なお話ですね~!次のお話が楽しみです!更新頑張ってください! (2018年12月15日 23時) (レス) id: 31e5093717 (このIDを非表示/違反報告)
yuria(プロフ) - くじらさんの最新作凄く好きです!いつも作品楽しく拝見させて頂いてます!これからも続き気になるので更新頑張って下さい!応援してます! (2018年12月15日 22時) (レス) id: 30859cc1ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くじら | 作成日時:2018年12月15日 22時