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同棲を始めてもう数年たって
あいつの行くところなんてないはずだ
実家だって遠いし
だから、まだきっと、
何度も何度も通話ボタンを押すも
一向に出る気配はない
「っは、…くそ、どこだよ、」
繁華街に住宅街
この街のどこにも涼介の姿が見えなくて
あと行きそうなところ…って
それを必死に思い出す
何度目かの記念日デート
行きたいところは?
そう聞いた俺に意地悪く微笑んで選んだ所
"お前、こんなところでいいわけ?"
"いいの、俺にとっては大事な場所だもん"
"あー、過去の俺にもっといいところで告白しろって言ってやりてぇわ"
"ふふ、大ちゃんらしくてここ好きだよ俺"
もしかして、
今まで来た道を戻り、電車に乗り
通っていた高校の最寄りで下車する
俺が"やまだ"に告白した場所________
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せっかく海の見える通学路なのに
せっかくそれなりの観光名所があるのに
あぁ、ほんとに当時の俺に言ってやりたい
勢いだけで行動するなと
ちゃんとプランをねってから言葉にしろと
その人は
お前のこれからの人生でいちばん大切な人になると
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ゆみ(プロフ) - はじめまして♪くじらさんだから描ける明るいだけじゃない、苦かったり酸っぱかったり、リアルなオレンジがとても共感出来て面白く拝読いたしました。次はどの色のお話なのかとても楽しみです(^^) (2019年1月16日 14時) (レス) id: b1371ccaed (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - とっても素敵なお話ですね~!次のお話が楽しみです!更新頑張ってください! (2018年12月15日 23時) (レス) id: 31e5093717 (このIDを非表示/違反報告)
yuria(プロフ) - くじらさんの最新作凄く好きです!いつも作品楽しく拝見させて頂いてます!これからも続き気になるので更新頑張って下さい!応援してます! (2018年12月15日 22時) (レス) id: 30859cc1ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くじら | 作成日時:2018年12月15日 22時