大好きだってば

その頃の彼女組 in ページ5

玄関がしまって
高木がいない時間を過ごす憂鬱さと寂しさから
小さくため息をついた

「…ゆうや…」

その声はどこに行くでもなくフラフラと響いては消えていった

俺はきっと高木が思ってるより欲張りで
女々しくて泣き虫で寂しがり屋だ

身長は大して変わらないはずなのに俺には大きい高木のティシャツ

それがするりと肩を出して

「…はぁ、」


またひとつため息が出る

キッチンに行って高木が買ってきたミニトマトを食べぼーっと朝のニュースを見る

時刻はまだ8時過ぎ

今日は何して過ごそうかな…
最近多忙だからって理由で強引に作られたオフ

あいにく大ちゃんは高木と仕事で捕まらない
他のメンバーを探そうとスケジュールを確認すると

「…あ、いた…」

俺より忙しいであろうエース様がまさかのオフ

誘うことなんてまずないし…いやでも…

「物は試し、よし」

とりあえず通話ボタンを押す

「……はい…」

「あ、もしもしー、山田きょうひま？」

「…暇だけど…」

山田の声は明らかに寝起きでつい笑ってしまう

「ふふ、めっちゃ寝起きじゃん、」

「…二度寝してたぁ、何時にどこにする？」

「んー、そっちでもいいしこっちでもいいし…別のところでも良いよ」

「じゃあ2時間後うち来て」

「ふぇ、いいの？」

「いいよ、何食べたい？」

「んー、魚！」

「わかった じゃあ10時半に またね」

「ほーい！まったね」

山田との電話を切って高木の香水をふりかけベットにダイブする

山田と遊ぶの久しぶりだ…
つい口角があがるのは思う存分高木との惚気話ができるから

「ふふ。山田にレシピまた聞こーっと」

ぎゅっと抱きしめた布団からは高木の匂いがして更にニヤニヤするおれの口元

どうやら今日はいい日になりそうだ

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