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イチゴじゃたりない ym ページ29

雄也と地方にロケに行く

それを聞いたのはずいぶん前のこと
ただついにその日がやってきただけのこと

いつもの癖で二人分用意した食器と料理
注いでしまった大ちゃん用の炭酸水

……俺のばーか

机に並ぶのはメインのお肉とサラダとパン
そして大ちゃんが買ってくれたイチゴ

"たまには好きなもの買えよ"

"じゃー…いちご!"

"な、食い物かよ!物欲ほんとないのな?"

なんて言いながら
少し高い白いイチゴを買ってくれた

なんだか大ちゃんが恋しくてひとつ口に運ぶ

口いっぱいにいちごの甘さ
心いっぱいに大ちゃんの優しさ

でも、足りない

足りないよ大ちゃん

寂しいって最後まで言えなくて見送った背中

恋しくて寂しくて
かってに動いた指先が大ちゃんの名前をタップする

コール音がとまり

「もしもし、やまだ?どうした?」

大好きな人の声がする

「…大ちゃん…」

「大ちゃんですよ〜?」

「今ホテル?」

「そそ、ホテルホテル。まさかの一人部屋だぞ〜いいだろ!」

いつも通りの大ちゃんの声

それを聞いてイチゴをもうひとつ食べる

…うん、甘い。

「山田は?いまなにしてんの?」

「いちご食べてる」

「あ、この前の?」

「そう、でも、大ちゃんと食べたかったな」

「へ、」

「大ちゃん…寂しい…1人でご飯食べたくない」

「んな、ちょ、山田?」

不意にでた本音に恥ずかしくなってきて

「…ばーか、大ちゃんのばーか、」

そう誤魔化ように伝えれば

「なにお前…めっちゃかわいい…」

なんて低音で言われるもんだから
耳からじんわり熱が広がっていく

テーブルに広がるご飯を食べる気は
やはり起きなくて
シャワーを浴びていたことをこれ幸いとして
ベッドルームに向かう


「…大ちゃん、」

「なんだよ」

「…寝るまで電話繋いでていい?」

「おう、もちろん。朝まで繋いどいてやる」

「へへ、ありがと…」

そこから他愛もない話を聞いて
ゆっくり目を閉じた









あ、じつは
大ちゃんのパーカーをきて
大ちゃん枕をぎゅっと抱きしめていたのは
俺だけの秘密

トマトじゃ足りない in→←恋に落ちたのは tk



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いわし - 完結おめでとうございます!この「大好きだってば」が連載されている間は、毎日ワクワクして更新されているといつもキュンキュンしてました!終わってしまうのは寂しいですが、新しい作品を楽しみにしています!!本当に今までありがとうございました!! (2018年8月7日 15時) (レス) id: ae19949072 (このIDを非表示/違反報告)
侑葉(プロフ) - 完結おめでとうございます。終始めっちゃきゅんきゅんしました 笑笑 完結なんて寂しいです (2018年8月7日 7時) (レス) id: e04bce508f (このIDを非表示/違反報告)
天ぷら(プロフ) - この作品を読んでるとふわ〜と幸せな気持ちになります!これからも更新頑張ってください! (2018年7月25日 21時) (レス) id: 0ee6887196 (このIDを非表示/違反報告)
うー - すごくほのぼの甘々していて、毎日癒されます。これからもお身体に気をつけて頑張って下さい! (2018年7月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 72efd30a70 (このIDを非表示/違反報告)
ありやまは世界の幸せを造ってる - ヤバい、、、好きなヤツだ、、、もぅどっちのカップルもがんばれ!更新楽しみに待ってます! (2018年7月7日 21時) (レス) id: 6367b68cac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くじら | 作成日時:2018年7月5日 20時

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