大好きだってば

メール派 tk ページ18

伊野尾くんが夏風邪を引いた

それを知ったのはついさっき来たメールで
本人いわく花粉症と見分けがつかなかったらしいけど…

はぁ、心配だなぁ

でもあいにく○○くんとのラジオが待っていて

少し憂鬱になりながら打ち合わせを受けていると

「たーかーき、なに？どうしたの？らしくないじゃん」

「あー…うん、ちょっと」

「もぉー多方いのちゃんのことでしょ？」

「まぁそうだけど…あー、帰りてぇ〜」

「はいはい、で？どしたの、」

「なんか風邪ひいたってメール来てさ…」

「あー、うちの山田もこの前体調崩してたわ…やっぱり季節の変わり目だからかぁ〜？」

「めちゃくちゃ心配だわ…あー、」

「わかるわかる俺めっちゃ電話かけたもんな…」

え…電話？
そう思っていると収録がはじまる
○○くんがマナーモードにすればいいんじゃね？ってスタッフさんに提案してくれて携帯持って入ることをOKしてくれた

ライトが光るたびにスグ画面を開いては
すぐ伊野尾くんへと返事をしていく

"大丈夫？"

"ダメ"

"熱は？高い？"

"しらない"

"横になってるんだよね？"

"テレビ見てる"


"よこになっててよ…悪化するよ？"

すぐについた既読の文字
そこから返事は来なくてグルグルと脳内を占める最悪な事態

いつの間にか終わっていたらしいラジオ収録
何を話したのか全然覚えていないけど

「たーかーき！」

「え、あぁ、うん…」

「何？返事来ないの？電話しちゃえば？」

「んー…でも寝てたら悪いし…」

「っとに、伊野ちゃん心細いかもしんねーぞ！」

と言われたものの…電話をすることは出来なくて
既読の文字見つめながら自宅までマネージャーに送ってもらうことに

「ただいま」

そう言いながら玄関を開けてリビングに行くと
ソファー出体育座りをしている伊野尾君の姿

「伊野尾くん？」

恐る恐る声をかけると

「ん、ゆぅゃ…」

と言いながら顔を上げる伊野尾くん

その瞳はいつもより水分量が多くて
顔も赤くなっている

「あのね、俺ね…気持ち悪くなっちゃって…メール打つのしんどくて…ごめん」

「あー全然、俺こそ遅くなってごめん」

ぎゅっと抱きしめると

耳に入ってきた言葉

どうやら○○くんの大正解らしい

"寂しかった…"
伊野尾くんからの弱音なんて珍しいし
次回からは俺も電話派になろう

彦星は大ちゃん ym→←電話派 ar

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