嫌がらせ ページ7
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『あ、私俊くんに待っててって言ったのに置いてきちゃった』
律「あーごめん、うちらが連れ回したから……」
マ「行っておいで」
『うん！』
私がりっちゃんとマリちゃんの傍を離れようとしたその瞬間、海根さんがやって来た。どうやら買い出しを頼みたいらしい。
律「てかさ、名前呼びやめてくんない？」
マ「そもそもうちらそんな仲じゃないっしょ」
『二人ともやめなよ………』
小「………ごめん、」
『あ、ちょっと海根さん！』
何もあそこまで言う必要はないんじゃないかと思う。もやもやしていると、いつの間にか教室に戻ってきていた俊くんがいた。
火「海根さんの避け方、お前ららしくないやろ」
マ「自業自得」
律「海根さん、ずっとあゆみに嫌がらせしてたの」
火「嫌がらせ？」
律「あゆみはこの性格だからあえて教えてはくれないけど、海根さんには絶対近付きたくないって」
マ「Aにも言ってなかったみたいだからよっぽどのことでしょ」
そんなの嘘だ、私はほぼ常にあゆみと一緒に行動してる。海根さんがあゆみに嫌がらせしているところなんて一度も見たことない。
小「ちょっと待って！！誤解だよ、私何もしてない！！」
律「とぼけないでよ」
マ「昨日だって付き纏ってたじゃん」
小「それは……」
律「何よ？言いたいことがあるならハッキリ言って」
小「でもほんと誤解なの！！」
扉の外で会話を聞いていたらしい海根さんが教室に戻ってきて、誤解だと訴える。この二人は根はいい子だけど気が強いから少し言いすぎてしまう節がある。
海「りっちゃん、マリちゃん、私は大丈夫だから。元はと言えば私が悪いの。私が海根さんの気持ち考えずにしろちゃんと付き合ってはしゃいじゃったから」
「え、海根さんって水本くんのこと好きだったの？」
律「へえ……そういうことだったんだ」
マ「マジ最低」
「まぁ人を好きになるのは自由だけどさあ〜」
「水本も災難だな〜」
「鏡みてこいよ、鏡」
なんでそんな酷いことが言えるの、なんでそんな風に平気で人を傷つけられるの。私には理解できない。
火「誤解っつってるやろ！！」
『………俊くん、』
俊くんがあゆみの耳元で何かを言ったみたいで、あゆみの表情は固くなった。その後、勘違いだったと訂正して謝っていたけど、私の違和感は確信に変わった。
いくらあゆみの姿をしていても、アレはあゆみじゃない。海根さんの姿の方があゆみなんだ。
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作者名：百合姫 | 作成日時：2024年3月6日 13時
