キズナ10

＊ ページ27

海人side








バタン、と廉が出て行ったドアを




数秒の間、みんな無言で見つめる









神「あいつ、なんかあった？」






岸「俺も思った。」









俺も…









なんならこの前の時も






そこで思い出す、1週間前のモヤッと









気のせい、とか思ってたけど



そうじゃないのかな…？









紫「戻ってきたら、ちょっと聞いてみっか。嫌がりそうだけど…笑」






神「だな。まぁたまには廉の話も聞いてやんなきゃ。いっつも岸くんが疲れさせてるから笑」





岸「なんでだよ！笑 紫耀もだろ、それを言うなら。」





紫「岸くんほどじゃないし！」





神「この前も呆れられてたじゃん岸くん。」





岸「あれは廉が急に変なフリしてくっから！」





紫「岸くんテンパりすぎて何言ってんのか分かんなかったよね？笑」





岸「やめろってぇ笑」









……、









神「海人？何？」






「ん？あー、んーん？」









うーん…









モヤ…









モヤ…









「ちょ、俺もトイレ行ってくるー。」









こういう時は









行ってみるべし、だよね









-









-









トイレー









トイッレー









「ぇっ……」









トイレに着いたら


何て声かけよっかなぁなんて思ってたら









-









-







廉「はぁっ…はぁっはぁっ…っ…はぁっ…」









「廉っ…！！」









トイレに着くより全然手前で


その姿を発見してしまった









誰もいない通路の



壁に寄りかかって、しゃがみ込み









廉「…っ…はぁっはぁっ…」









荒く、乱れた息をしてる廉に…









-









-









-









「廉？！廉、どしたの？大丈夫？！」






廉「はぁっ…はっ…はぁっはぁっ…っ…」







咄嗟に駆け寄って、隣にしゃがんで声をかけても


返事は返ってこなくて









胸に手を当てて

苦しそうな呼吸を繰り返してるだけ









どうしよ…









えっと…





どうしたらいいんだっけ…









「「海人っ…！」」









神「廉っ…！」









あっ…









岸「どしたっ…て、廉？！」









神「どしたの？！」









「分かんない…俺が来た時にはもう…」









岸「廉、廉？分かる？」






廉「はぁっはぁっ…ふっ…はぁっ…」






神「過呼吸起こしてんなこれ…」





岸「俺、袋取ってくる！」









廉「はぁっはぁっ…はぁっ…」





「廉っ…」

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