キズナ5

＊ ページ32

海人side

マネージャーが出て行ってから何分経ったころだったかな…

そろそろ着替えたりしないといけないなって思ってみんなが動き始めたときだった



ガチャ

再び楽屋のドアが開く音がした

マネージャーが戻って来たのか、廉が来たのか

そのどっちかだろうと思って一瞬だけ入り口に目を向けたら



入って来たのは…


「健人くん…？」


そう、全くの想定外の人物だった…

岸「おはよう…ございまっ健「お前ら、何してんの？」

え？

「健人くん？」

紫「どうしたんですか？」

いつもと様子が違う健人くんに

4人全員が戸惑う

健「どうしたじゃねーだろ。」

え、なんか怒られてるよね…俺たち…

神「え、いや…すいません…何か…？」

テンパる俺たちを代表して、ジンが聞き返した



すると、健人くんは

いつもの優しい笑顔とはかけ離れた


厳しい表情をして


俺たちに、衝撃的な話をし始めた…






健人side

今日は、風磨と2人でバラエティーに出演する

2人でなんて久しぶりで、なんか照れくさいけど

やっぱ安心するなって

嬉しい気持ちで本番までの時間を過ごしていた


風「喉かわいた。自販機行かね？」

ふとそんな誘いがあり、2人で楽屋を出て自販機に向かっていると


楽屋が並ぶ通路の一角にある、ちょっとしたスペースに

人影が見えた


普段こんなとこに人なんていないから

一瞬ビビったけど


何となく見覚えのあるシルエットだったから

自販機を目前にして、体の向きをその人物へ向けた

風「え、何？」

突然の俺の方向転換に、風磨もちょっと驚きつつ

俺に合わせて向きを変えた




ちょうど死角になってて、通路を通る人からはほとんど見えないその場所に

ゆっくり近付くと…



そこにいたのは、キンプリの永瀬だった…



「おい…永瀬？」

何でこんなところにいるのか、疑問に思ったけど

とりあえず声をかけてみた


すると

廉「…あ…」

俺の声にピクッと反応して、こちらに顔を向けた

その永瀬に

何してんの…？笑

そう聞こうとして、見つめ直したその顔を見た瞬間


そのあまりの顔色の悪さに、一瞬で言葉を飲み込んだ


「え…お前…大丈夫か？」

動揺したまま、そう聞くと

廉「あ…はい…お疲れ、さまです…」

表情に似つかわない言葉が返ってきた

風「いや…そうは見えないけど…」

風磨もその異変に気付いた様子で、永瀬の言葉を否定する


廉「すいません…ほんとに、大丈夫なんで…それじゃっ…」

そんな俺たちから目線を外して、そう言った永瀬は

寄りかかっていた壁から体を離し、その場を去ろうと歩き出した

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