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紫耀side
そして…
賑やかなメドレーを終え
全員でメインステージに戻り
残すは、エンディングの1曲
だけどその前に
会場に集まってくれたみんなに、俺たちからの挨拶を行う
ジン、海人、岸くん…
3人が感謝の気持ちをそれぞれの言葉で口にして
次は廉
岸くんとバトンタッチの瞬間
廉の肩に、岸くんがそっと手を置いた
多分もう、ほぼ気力だけで立ってる廉は
少し距離のあるところに立ってる俺から見ても分かるくらい、荒い息をしていて
心なしか動きもゆっくりに見えた
その姿を見て
自然と俺たちはセンターに立つ廉の後ろに移動し
すぐ後ろで見守る形をとった
廉「…えー…みなさん、今日は…本当に…ありがとう、ございました。」
途切れる息を我慢しながら、そう言って頭を下げた廉
会場からは、拍手が聞こえる
廉「…初めての、大阪でのファイナル2公演…本当に、嬉しく思います…俺にとって、ここは…いつまで経っても、大切な場所で…大好きな、場所です…。みなさんの笑顔を見ると…アイドルやってて、よかったなって思うし…このグループのメンバーになれて、よかったなって思います…俺は……はあっ…っ…」
そこまで言って
途切れ途切れに言葉を紡いでいた廉の声が止まった
廉「俺…は…はあっ…はあっ…」
一度言い直そうとしたけど、やっぱりだんだん息が乱れて
ついに、廉はマイクを下ろし、右手の甲を軽く口に当てて下を向いてしまった
それと同時に、俺たちは廉のそばへ歩み寄り、背中や肩を支えた
頑張れ…あと少し…
そう伝えるように、みんなで寄り添う
もう倒れるのも時間の問題だ
でもここで終わらせたら、きっと廉が後悔する
無理はするなと言ったけど
せめてあと1曲だけ、一緒に頑張らせてほしい
すると
”頑張れーっ!”
“廉くーんっ!”
会場から、廉を励ます声が聞こえはじめた
その声に、下を向いていた廉が
もう再び顔を上げて、一度深く息を吐き
廉「俺は…みんなが…大好きです…はあっ…今日は、本当に…ありがとう、ございましたっ…」
そう言って、ゆっくりと礼をした
本来なら次は俺の挨拶の番
でも、少しでも早く廉を休ませるため
俺の挨拶は、アンコールに回してもらおうと思い
「では…最後にこの曲を聴いてください。」
そう言った
岸「玄樹のパートは、ぜひ皆さんで歌って貰えると嬉しいです。」
俺に合わせて岸くんも続けてくれ、本編最後の1曲が流れ始めた
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ほるる(プロフ) - さくさん» はじめまして。嬉しいコメント本当にありがとうございます。嬉しいです。ああ!笑 なるほど、そうですね!これからのお話を考えていく中に入れておきます!アイディアありがとうございます! (2020年4月24日 18時) (レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
さく - はじめまして。ほるるさんの柔らかい文章が素敵で更新されるのをいつも楽しみにしています。密かに、那須くんが貧血になった時に海ちゃんが言ってた廉もしんどい思いしたもんねとの発言が気になっているのでもし機会があれば是非...! (2020年4月24日 14時) (レス) id: b2dc0d72d1 (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - Rihoさん» ありがとうございます!更新がんばります!引き続きよろしくお願いします! (2020年4月22日 13時) (レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
Riho(プロフ) - 廉くんのお話を中心にいつも楽しく読ませて頂いています。今回の廉くん続きがすごく気になります!これからも更新楽しみにしてます! (2020年4月22日 0時) (レス) id: df3c910baa (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - おかまる子さん» コメントありがとうございます。嬉しいです!偏りがちですが、色々考えてみますね!これからもよろしくお願いします! (2020年4月21日 22時) (レス) id: 1262312f39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほるる | 作成日時:2020年4月16日 19時