＊ ページ22
K
それからしばらくしりとり大会をしてた
一向に人が増える兆しもなく
俺たちの声が響くだけ
同じ車両には、反対側の端に1人おじさんが座ってるだけであとは誰もいないから
しりとりし放題
紫「東京特許許可局。」
海「それ早口言葉じゃん笑」
紫「いいだろ別に。」
く…もうそろそろ言葉が出てこない
早口言葉言ってるぐらいだからね
回るスピードもだいぶ落ちてきた
まだ降りる駅までは時間あるから、終わらせるわけにはいかないんだけど…
あ
「クラシックコンサート。はい廉。また、と。」
もう顔も向けず言葉だけで回してたから、前を向いたまま廉に順番を回した
あれ？
数秒して、廉が何も言わないのに疑問を持った
降参？と思い、ふと横を見ると
「廉？」
廉は膝に置いてる鞄にスマホを持ったままの手を乗せて、下を向いていた
一瞬なんかあったかとヒヤっとしたけど
紫「寝てるわ…」
同じくこっちを向いて、紫耀がそう言った
廉をよく見ると、静かに寝息を立てている
「ビビった…」
紫「疲れたんだろうな…」
「そうだね…」
そりゃそうか
すごい気張ってたし、血圧下がってるって言ってたし
こんだけ静かな電車に揺られてたら
気も抜けるよね
紫「廉の負け。でも、寝かせとこ。」
紫耀はそう笑って、廉の手からスマホを取り、鞄の前ポケットに入れた
落ちたらいけないもんね
自然と終わりを迎えたしりとり大会は、廉の負け
さすがに寝てる廉を挟んでまで続けることでもないから
そこからは紫耀となんとなく話をしつつ、お互いスマホをいじりつつになった
そして、気付けば降りる駅まであと2駅
ドアが開いて、久しぶりに人が乗ってきた
？「あれ？君たち…」
そんな声がして、顔を上げると
お「今日は2度目だね。どうしてこんな時間に？」
そこには、いつも朝席を代わってくれるあのおじさんがいた
紫「びっくりした…」
俺たちの向かいに座るおじさんに、紫耀も素直にそう言う
お「私もだよ。学校は今日は早帰りなのかい？」
紫「あー…ちょっと今日は色々あって、もう帰るんです。おじさんは？」
お「私も、明日から数日遠出の出張だから、今日は早く上がらせて貰ったんだ。」
「そうなんですか。じゃあ明日から朝寂しいですね。」
お「そんなそんな。嬉しいこと言ってくれるね。」
「本当ですもん。」
お「ありがとう、出張頑張れそうだよ。あ、その子は大丈夫？具合でも悪いの？」
おじさんは俺たちの間で俯く廉に目を向けた
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ほるる(プロフ) - yk0u0ypさん» そう言っていただけて、嬉しいです。ありがとうございます。最後まで楽しんでもらえるように頑張りますね！ (2020年3月17日 22時) (
レス) id: 1262312f39 (このIDを非表示/違反報告)
yk0u0yp(プロフ) - 長くなるのは読み手としては大歓迎ですよ！最後まで楽しみにしています。 (2020年3月17日 16時) (レス) id: 93cffbdd8e (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - サンリオさん» サンリオさん、ありがとうございます。何度も読んで頂けるなんて本当に嬉しいです。最後までよろしくお願いします！ (2020年3月5日 23時) (レス) id: 8f17583e90 (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ(プロフ) - 1日に何度も読み返してます。続きも楽しみです (2020年3月1日 18時) (レス) id: 2408a5fc04 (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - まりさん» まりさん、ありがとうございます！これからも、楽しみにして頂けるように内容も文章もしっかりら考えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 (2020年2月29日 10時) (レス) id: d4a1ad85f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほるる
| 作成日時：2020年2月16日 16時
