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海「それって…廉は苦しいですか…？」
ポツリと海人の口から出た言葉に、先生の表情が少し曇った
大「それは…」
海「俺も紫耀もばかだから。詳しいことは難しくてよく分かりません。でもその話、廉は確実に今までより辛い治療をしないといけないってことですよね…？」
まずい…これじゃまた海人がパニックに…
少し焦って視線を海人に向けた
でも…その顔は、いつになく真剣だった
パニックになったあの顔じゃなくて、真っ直ぐに先生を見つめ、普段のキャピキャピ感も完全に消えた真剣な顔だった
大「そう…やな…」
その顔に、先生も少し驚いた様子だった
海「分かりました。じゃあ俺が、俺と紫耀が、廉のこと支えます。廉が手を伸ばせば握り返すし、不安に押し潰されそうになったら、大丈夫だよって言ってやります。廉が助けを求めたら、どこへでも駆けつけます。子ども騙しじゃない、本気で。誰よりも早く、俺たちが助けに行きます。だから…」
ポタっ…
零れ落ちた涙…
海「だからっ…廉を、俺たちから取らないで…。廉が1番望んでる、普通の生活を、奪わないでくださいっ…」
その涙を袖で拭い、頭を下げたのは
俺が知ってるアホな海人じゃなくて
大切な幼なじみを、心の底から守りたいと願う
頼もしい親友の海人だった
俺の斜め後ろに立つ、廉のママは
パパに支えられて泣いていて
そのパパも、少し肩を震わせていた
それくらい、海人の言葉は
ここにいる全員の心に突き刺さるものだった
大「…分かった、約束する。廉の命は、俺が全力で繋ぐから。廉の心は、お前たちが守ってやって。」
大倉先生が海人の肩に手を置き、体を起こしながらそう言った
大「これから始まる治療は、廉が今まで経験してきたものに比べたら、何倍もしんどいと思う。挫けそうになることもあると思う。でも、そういうとき1番必要なのは、患者本人が弱音を吐ける、安心出来る存在や。支える方も辛いし、しんどい。せやけど、廉にとってお前らは、そう言う存在でおってやってほしい。これは家族にも俺にも出来へん、特別な役割やと思うから。よろしく頼むな。」
海「はいっ…」
「分かりました…」
気付けば、俺の頬にも涙が流れていた
小さい頃に、海人と交わした約束
"廉は俺たちが守る"
それを今、さらにかたく心に刻んで
ガラスの向こうで、静かに眠る廉に誓った
廉マ「ほんまに…ありがとう…」
廉パ「廉は、幸せもんやな。」
2人の笑顔は、切なくて綺麗だった
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ほるる(プロフ) - ティアラさん» はじめまして。ありがとうございます。勿体無いくらい嬉しいお言葉で、頑張ろうと思えます。楽しんでいただけるように頑張ります。 (2020年2月12日 18時) (
レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
ティアラ - はじめまして！いつも更新されるのを楽しみにしています！読んでいるこっちまで、この話の中に引き込まれるようなすごく次の話が読みたいってなるような感じで、楽しみにさせてもらっています。これからも楽しみにしています！頑張ってください。 (2020年2月11日 22時) (レス) id: 223bd104ef (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - Rihoさん» ありがとうございます。これからも、読みたいと思っていただけるように、1ページずつ大切に書いていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2020年2月11日 21時) (レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
Riho(プロフ) - 更新いつも楽しみにさせていただいています。繊細に書かれていて、切ないですけど、何回も読んでしまいます。これからも更新楽しみにしてます。 (2020年2月11日 19時) (レス) id: df3c910baa (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - あーるさん» はじめまして。ありがとうございます。魅力的だなんてとんでもないですが、楽しんでもらえる様に模索しながら頑張ります。今後ともよろしくお願いします。 (2020年2月9日 22時) (レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほるる
| 作成日時：2020年2月9日 14時
