＊ ページ35
S
廉「先生…俺…すいま…せんでした…」
先生を見るなり、廉はそう謝った
多分、点滴抜いたことを謝ろうとしてる
大「なにが？」
廉「あの…」
大「今日なぁ、俺美女と合コンやねん。せやから回診急ぐで！」
廉の言葉を遮るように、先生が喋り出した
海「はぁ？なにその理由！てか先生彼女いるんじゃないの？」
大「大人には大人の事情があるんですー。お前らみたいなガキには分からへんねん！」
海「じゃあ、そんなこと言わないでくださいよ！」
大「ええやん、たまには自慢させろや！」
海「高校生にそんな自慢すんなや！」
朝からうるさいわ笑
なんの話だよ、まじで笑
でも…
海人と言い合いながら、先生は廉の腕を取り、点滴の針を入れる台に乗せた
そして…
大「廉…ええか？」
たった一言
針が抜けてたことにも、その理由にも全く触れず
たった一言、廉に聞いた
廉「…うん…」
廉は少し戸惑ってたけど
問いかけに、小さく頷いた
その返事を聞いて、先生は持ってきていた新しい点滴を廉の腕に繋いだ
廉「どうして…？」
怒られると覚悟してたらしい廉は、不思議そうに、不安そうに先生を見上げる
夜中のこと、知らねーもんな
先生は、そんな廉を見て一瞬とても優しい笑顔を見せたと思ったら
大「検査、10時からやから。遅れんなよ？俺、合コンあるから。時間厳守な。」
そう言って、少しだけ廉に布団をかけ直し、
大「じゃ、巻きで回診行ってきまーす。」
と、手を振って出て行った
そのドアを見つめ、廉はきょとんとしている
海「合コンだってさ！チャラ！」
「大人の嗜みだな…」
俺たちは先生の行動の意味が分かるから、そのまま話を続けた
廉「……。」
あらら、廉くん言葉失ってんじゃん
「まだ寝ぼけてんの？」
廉「え…？」
海「顔洗って、スッキリさせなよ！今日はいい天気だよー！」
いいんだよ、廉
お前は何も気にしなくていい
だって、今日もちゃんと朝が来たじゃん
それでいい
大丈夫だから
廉「うん…」
俺たちの表情から、廉も何かを感じ取ったのか
それから昨日の夜のことは何も言わなかった
R
目が覚めると、病室に戻って来てた
久しぶりに、ちゃんと寝た気がする
すると、海人と紫耀が寄ってきて
いつものようにおはようって
あ…そうや…俺、昨日…
一瞬で蘇る昨夜のこと
申し訳ないと思ったけど…口から出たのは違う言葉やった
そしたら海人が抱きついてきて
何やと思ったけど、ちょっと嬉しかった
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ほるる(プロフ) - ティアラさん» はじめまして。ありがとうございます。勿体無いくらい嬉しいお言葉で、頑張ろうと思えます。楽しんでいただけるように頑張ります。 (2020年2月12日 18時) (
レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
ティアラ - はじめまして！いつも更新されるのを楽しみにしています！読んでいるこっちまで、この話の中に引き込まれるようなすごく次の話が読みたいってなるような感じで、楽しみにさせてもらっています。これからも楽しみにしています！頑張ってください。 (2020年2月11日 22時) (レス) id: 223bd104ef (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - Rihoさん» ありがとうございます。これからも、読みたいと思っていただけるように、1ページずつ大切に書いていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2020年2月11日 21時) (レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
Riho(プロフ) - 更新いつも楽しみにさせていただいています。繊細に書かれていて、切ないですけど、何回も読んでしまいます。これからも更新楽しみにしてます。 (2020年2月11日 19時) (レス) id: df3c910baa (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - あーるさん» はじめまして。ありがとうございます。魅力的だなんてとんでもないですが、楽しんでもらえる様に模索しながら頑張ります。今後ともよろしくお願いします。 (2020年2月9日 22時) (レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほるる
| 作成日時：2020年2月9日 14時
