＊ ページ20
sho
.
ふと頭が下がったのに気づいて
声をかけると
数秒じっと地面を見つめ、突然体の向きを変えた
階段を登り切ったところで腕を掴めば
返ってくるのはお決まりの大丈夫
もう理由は分かってる
階段を上がる数秒で、おそらく咲良と志乃も
"悲しい出来事からの復興への願い"
そんなのは、花火なんかじゃどうにもなんねぇよな
綺麗に見えてた大輪が
一瞬にして、あの日の炎を蘇らせた
.
「廉、もうやめよ。嘘も我慢も…大丈夫も。」
抱き寄せた肩は、折れてしまいそうな程細く
狂いそうな呼吸を必死に堪えてるみたいで
その表情は、初めて見るに近い
苦しさに歪んだものだった
.
廉「…っ……、」
志「はい、飲めそう？」
代わりに受け取ったコップ
志乃も咲良も心配そうに廉を見つめる
ドン…ドン…
くぐもった音と拍手や歓声が、まるで別世界のものみたいに聞こえる
廉「…ごめ、ん……っ…」
ようやく絞り出た声は
そのひと言だけで俺たちの胸の奥をグッと締め付けた
「全然。何も謝ることないから。」
廉「……ごめ…俺が、行く…言うたのに、」
志「そんなの気にしなくていいって。」
廉「…また、余計な心配…、」
「余計じゃねぇよ馬鹿。」
廉「…っ……」
咲「ねぇ教えて？廉が話してくんなきゃ…私たち何も出来
ないから。」
.
廉「……っっ、」
「俺らずっと一緒にいんだろ…？大丈夫って突き放す程、
お前にとっちゃ関係ないわけ？」
そんな
そんなのさ
「そんな寂しいことすんなよ…勝手に1人になろうとすん
な。俺らくらい、巻き込めばいいんだよ。お前は嫌かも
だけどさ…でも俺もう決めたから。」
廉「……、」
「何か色々考えて、お前に言うのやめようとか、聞くのや
めようとか…そういうのもうしねぇことにする。」
お前を1人にしてたのは、俺たちかもしんねぇけど
だったら尚更これからは
今、この瞬間からは
「…だからごめん、頼って。」
.
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ほるる(プロフ) - みりさん» えー涙 ありがとうございます！そんな風に読んで頂けたなんて…私が泣きそうです。これからも頑張りますね！こちらこそよろしくお願いします！ (2022年8月17日 18時) (
レス) id: 2dd70d349b (このIDを非表示/違反報告)
みり(プロフ) - もうほるるさんの作品最高すぎます！もう後半は号泣でしたwとても面白かったです！次回作も楽しみにしています！よろしくお願いします！ (2022年8月17日 17時) (レス) @page39 id: 10f20a389a (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - どるんさん» ありがとうございます。割と簡潔に終わってしまった作品ですが、そう言っていただけると書いて良かったと思えます。今後ともよろしくお願いします。どるんさんも、お身体お気をつけて。 (2022年8月4日 18時) (レス) id: 2dd70d349b (このIDを非表示/違反報告)
どるん(プロフ) - 先日はありがとうございました！今回のお話もとても面白かったです。後半は、更新される度涙しながら読んでいました。遅ばせながら、こちらから。完結おめでとうございます。次回作も楽しみにしております。コロナや猛暑が酷いですから、お身体ご自愛くださいませ。 (2022年8月3日 23時) (レス) @page1 id: 3403696d31 (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - 咲さん» こちらこそ、いつもありがとうございます。更新が遅くなって申し訳ありません。アイディアもありがとうございました。 (2022年8月1日 15時) (レス) id: 2dd70d349b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほるる
| 作成日時：2022年7月31日 11時
