＊ ページ49
K
＿…
医「…これで、少しは落ち着くと思うよ。」
「そ…すか。」
繋がれた2種類の点滴
前髪がかった目は、閉じられて
浅かった呼吸もかなり穏やかになった
何度か会ったことのある先生は
何やら資料を見つめ、真剣な表情を浮かべる
医「…ただ、この感じだとしばらくしんどいかもしれないね……。」
神「……しばらく…」
医「うん、腎機能が一時的にかなり落ちてるから、痛みや体の怠さが少し強く出ると思う。」
「…これから、すか？」
医「そう…点滴が効いてる間は抑えられるけど、廉くんの場合はそれで治すというよりは…痛みを和らげるという感じだから。後は体力が回復して、徐々に症状が落ち着いてくるのを待つしか…。」
そんなことしか…
病院なのに、って
初めはみんなそう思った
でも、これが今出来る最良の方法なんだ
医「疲れも溜まってたんだろうね、季節も変わり目だし。この前も、最近疲れやすくなった気がするって言ってたから。」
「…え、？」
医「あぁ、うん。本人の感覚だから、状態が悪くなったとかではないけども。こういう体の感覚にムラがあるのは、腎臓や肝臓に疾患がある患者さんにはよくあることなんだ。」
律「……この前、家の階段…1回上がっただけで…めっちゃ息上がっとった…」
神「ぇ、そう、なのか？」
律「うん…」
医「そうそう、そういうのもね。」
「それって…」
医「いや、大丈夫。ムラがあるって言ったでしょ？これからずっととか、悪くなるとかじゃなくて。多分今までも同じようなことは何度も感じてたはずだよ。」
神「…はぁ、こいつそういうの全然言わねぇんすよ。」
医「まぁ…笑 廉くんはそういう子だよね。特に最近は。」
「最近、？」
医「あー…うん、昔は…ね。もっと……お母さんに泣きついて、しんどいしんどいって言ってたから…。」
……っ、
医「小さかったのもあるけど、やっぱり…言いたくなるんだよ。誰か1人くらいは、そういう相手がいないと…」
「「……。」」
医「あ、ごめんね。言い方が悪かった。君たちが頼りないとか、律くんがどうだとかじゃあないんだよ？」
律「…俺は…全然、」
医「んや、律くんのことは、来る度に色々話してくれるんだ。君のためにも、自分は元気でいなきゃって。無理をするとかじゃなくて、本当にちゃんと、元気でいたいってね。」
律「……っ、」
医「君は廉くんにとって、1番の生きる理由なんだね。」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 517人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほるる(プロフ) - キラさん» キラさん、初めまして。メッセージありがとうございます。とても嬉しいです。そんな風に言って頂けると、描いてよかったなと励まされます。また、もっと頑張ろうという気持ちも湧いてきます。まだまだ拙いですが、私なりに言葉を選びながらこれからも頑張ります。 (2022年1月24日 0時) (
レス) @page46 id: 98fd67c86b (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - ほるるさん、初めまして。過去作品からこの作品まで全て楽しませてもらってます。どのお話もとても感動するものばかりでしたが、今回更新されていた部分で涙が止まらなくなりコメントさせて頂きました。ほるるさんが紡ぐ言葉が大好きです！ (2022年1月23日 20時) (レス) id: 771ce9fcff (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - 美紗さん» ありがとうございます。更新頑張りますね。 (2022年1月23日 15時) (レス) id: 98fd67c86b (このIDを非表示/違反報告)
美紗 - ほるるさん» 了解です(*^-^*) (2022年1月23日 15時) (レス) id: 74b943358d (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - 美紗さん» いえいえ、それだけ作品に入り込んで下さってるのかなと思うと、ありがたいことです。色々な読み方があると思うので、全然大丈夫ですよ。美紗さんもいつもありがとうございます。所詮私の自己満足作品ですが今後も読んで下さる方に少しでも楽しんで頂ければ幸いです。 (2022年1月23日 13時) (レス) id: 98fd67c86b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ほるる
| 作成日時：2022年1月3日 21時
