キズナ2 (ページ38)

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海人の声にも反応せず、体を硬直させて動かない廉

神「ちょ、廉？まじどしたの？」

向かいのじんも異変に気付いたみたい

その声にうーんと質問の答えを考えていた岸くんもこちらに目を向ける

岸「え、廉？なに、どうかした？」

みんな突然の廉の異変にプチパニック

すると

記「ほら、みなさん困らせてますよ？永瀬さん、大丈夫ですか？」

記者さんがさらに廉に声をかける

海「廉っ！ねえっ！」

それでも反応しない廉の肩を海人が軽く揺らすと、ビクッと廉の体が反応し、みるみる目に涙が浮ぶ

海「え…？廉…？」

海人も岸くんもじんも、驚きすぎて何も言わない

「廉…？」

やっと出た声で名前を呼ぶと

廉「…っ…いや…や…やめ…て…嫌…」

ついにポロポロと涙を流しながら廉が声を出した

神「何を？何が嫌なの？」

岸「どした急に？」

海人は訳がわからないままただ廉の背中を摩りはじめ、岸くんとじんは声をかける

急展開すぎてみんな追いついてない

何とかしなきゃ…だって…この涙の理由は…

"紫耀、廉のこと、よろしくな？"

ふと頭に響いた大吾の声

そうだ、俺が守らなきゃ

記「永瀬さ…「やめてください！」

記者さんの声を遮り、俺は立ち上がって大声で言った

海「し…紫耀？」

海人も岸くんもじんも驚いてる

マ「平野？どした？なんかあったか？」

遠くで別のスタッフさんと打ち合わせをしていたマネージャーも、俺の声に慌てた様子で駆け寄ってくる

記者さんも、突然の俺の大声に久し振りに目線を廉から離した

もう…確信した…この人だ…

「やめてください、これ以上、廉のこと傷つけるのは…」

記「…はい？」

「あなたですよね？廉に画像送ったの。」

記者は、一瞬目を見開き、チッと舌打ちをした

神「紫耀、どういうこと？」

岸「なに、画像って？」

海「紫耀？」

メンバーも俺の言葉に聞きたいことがたくさん

海人に抱き寄せられている廉は、下を向いて震えながら泣いている

「何で…こんなことするんですか…」

廉の姿を見ると、大声で言うのはやめたほうがいいと思い、湧き出る苛立ちをぐっと押さえ込んで、出来るだけ落ち着いた声で聞く

廉の着ていた上着のポケットからスマホを取り出し、メールの画面を開いて岸くんたちに見せる

岸「なに…これ…」

神「これ…あなたが廉に？」

岸くんとじんが記者の方を見る

すると、記者は小さく笑った

海「何で…？意味わかんない…っ。」

海人はもう今にも泣き出しそう