検索窓
今日:7 hit、昨日:27 hit、合計:187,818 hit

ページ30

たしかに様子が違うなとは思ってたけど

まさかこんな泣くほどのことがあったのかと

内心動揺が半端ない

今俺が肩を抱いて背中をさすっている相手は、本当に廉なのかって思うほど

この支える手を離したら、崩れてしまいそうなくらい小さく感じる

まじで、本当に何があったんだ


しばらくして、少し落ち着きを取り戻した廉

「廉……どした?って聞いても平気?」

背中をさする手は止めないままで、聞いた

すると、廉は小さく頷いた

「ゆっくりでいいから…何があったの?」

なかなか答えない

その代わり、ポタポタと涙が握りしめてる手に落ちる

少しでも楽にしてやりたくて、そっとその手に自分の手を重ねた

「廉、大丈夫。ゆっくりでいい。ずっとここにいるから、な?大丈夫大丈夫。」

さっき…電話の向こうで、廉はたしかに俺に助けてって言った

いつも一緒にワイワイしてるメンバーや、大切にしてる友達じゃなくて、俺に助けを求めてきた

それはきっと、俺じゃなきゃダメな理由があるから

だから教えてほしい


廉「…っ紫耀…」

やっと、口を開いてくれた…少し安心…

「んー?」

廉「…っ俺…さ…」

「うん」

廉「言われ…てん…」

「何を?」

廉「俺は…捨てた…って…」

「捨てた?何を?」

廉「…っ関西…の…みんな…」

は?どういうことだ?んなわけないじゃん。なんなら大好きだろ?

「ん?捨ててないだろ?」

不思議な発言に、思わず食い気味に反応してしまう

廉「…っ捨てて…へんよ…てか…捨てるて…何?」

だよな、俺もそう思うけど…というかそもそも…

「誰がそんなこと言ったの?」

廉「…っこの前、1人で…取材受けたとき…記者の人に…」

「そんなこと言う人いんの?」

廉「…取材終わったあと…声…かけられて…そしたら…ツイッターで話題になってましたって…携帯見せられてん…」

「へぇ…で?」

なんかもうすでにイライラするけど

廉「…そしたら…ツイッターに、色んな人がコメントしてて…関西のことはもうどうでもいいんだ、とか…デビューしたらもう関西は邪魔なんだ、とか…勝手に東京行って、勝手にデビューして、勝ち組気取りだ、とか…もう、大阪に来んな、とか…関西のみんなのことはもう捨てたんだって………」

意味が分からない

なんでそんなこと言うの

一度溢れ出した廉の言葉は止まる気配はない

*→←*



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (78 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
202人がお気に入り
設定タグ:美少年 , キンプリ ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ほるる | 作成日時:2020年1月11日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。