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「頑張ったな、ちゃんと出来てたよ、最後。」
ゆっくりとスポーツドリンクを飲んだ那須の横に座って優しく声をかける
でも、那須はそのまま俯いてしまった
龍「どした?やっぱ気分悪い?」
心配になって龍我が聞く
すると那須は小さく首を振り
那「みんな…ほんと、ごめん…今日は。俺のせいで…余計な心配かけて…」
声を震わせながら話し始めた
大「それは大丈夫だって、さっきも言ったろ?」
那「ううん…よく…ない…俺が…体調管理…出来てなかったから…」
完全に落ち込みモードになってしまった那須
そろそろ、聞いていいかな
「那須、なんか悩んでることあるんだろ?」
那「……。」
「体調悪かったのも、何か理由があるんだよな?それ、俺たちには話せない?」
那「…俺の…勝手な…理由だから…」
「それでもいい。俺たちメンバーでしょ?だから、那須が1人で悩んでるの見てるだけなのは悲しい。全部じゃなくてもいいから、そのしんどい気持ち、俺たちに分けてよ。」
俺の言葉にみんなもうんうんと頷きながら那須を見つめる
今日、先輩たちの話を聞いて、那須を支えられるのは俺たちだって思ったから
那「…最近…勉強…うまくいってなくて…」
気持ちが届いたのか、那須が話し始めてくれた
やっぱり、勉強のことなんだな
那「進学試験も近いから…学校でも今まで以上にやること増えて…正直…ついていくので必死で…でも…俺は放課後は中々勉強する時間ないから…仕事は楽しいんだけど…俺が仕事してる間も、友達はみんな勉強してて…どうしようって考えたら…っ」
そうだよな…俺もそうだもん…
でも、那須は俺よりも大変だから、きっともっと不安だったんだろうな
那「色々考えてたら、だんだん調子おかしくなって…今日は朝からずっと変だなって思ってた…でも…こんな自分だけの理由で迷惑かけられないから…結局迷惑しかかけなかったけど…ごめん…本当に…でも今、自分がどうしたらいいのか、分かんなくて…」
那須の目から、ポタッと涙が溢れ、膝の上でペットボトルを握っている手に落ちた
藤「那須…ありがとう、話してくれて。」
藤井くんがその手に自分の手を重ね、優しく言った
藤「ごめんね、そんなに悩んでたの気付いてあげれなくて。」
藤井くんの言葉に、那須はさらに涙を流しながら首を横に振る
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作者名:ほるる | 作成日時:2020年1月11日 18時