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エンディングメドレーが始まり、みんなが順番にステージへ出て行く
次は俺たち
ここで出たら番組終わりまで、捌けるタイミングはない
「那須、行ける?」
もう一度だけ、那須に確認をする
那「うん、大丈夫。」
那須は俺の顔を見て、頷いた
正直言って、全然体調悪そうだけど
あと少し、持ってくれ
「じゃ、いくか。」
曲が変わり、俺たちはステージへと足を進めた
華やかな曲で、ダンスもそれなりにある
踊りながらチラッと那須を見ると、不調が嘘かのようにいつも通りパフォーマンスをしている
頑張れ…
何とか1曲終わり、残すは最後の曲だけ
またもやなかなかのダンスナンバーで、心配だったけど、那須は言った通りちゃんとやりきった
「「ありがとうございました!」」
客席に向かって挨拶をし、ステージを後にした
龍「那須っ!大丈夫?」
捌けるとすぐに龍我が那須に声をかけた
那「…っ、うん…」
何とかコクリと頷いた那須
でも、やっぱりその顔は苦しそうで…
「早く、行こ!」
那須の肩をそっと支えつつ、衣装場まで戻って着替えをする
俺は自分の着替えを猛スピードで終わらせ、那須の着替えを手伝った
着替えが済んだところで那須の体力は限界だったのか、足元がフラフラして体を真っ直ぐ立たせるので精一杯の様子
とてもここから楽屋まで歩くのは無理そう
意識ははっきりしてるけど、うまくバランスが取れなくて、衣装が掛かっているラックの棒を掴んでる
「しんどいな…龍我、那須運んでやって?俺荷物持ってくから。」
俺がおぶれるならそうしてやりたいけど、貧血気味の那須に少しでも安定感をと考えると龍我が1番適任
龍「任せて、ほら那須?乗って?」
龍我が那須に背を向けてしゃがむ
那「大丈夫、自分で行くよ…?」
いや、無理でしょ
「いいから、我慢しない約束だろ。」
一度は断った那須だけど、体は正直で、俺が体を支えて龍我の方へ傾けると、へにゃっとそのまま力無く龍我の背中へ乗った
龍「よいしょっと。よし、楽屋帰ろう。」
俺たちはみんなで楽屋に急いだ
戻ってきて、龍我はすぐに那須をソファーに下ろす
金「はい、これ。飲めそう?」
金指がスポーツドリンクを差し出す
那「あり…がと…」
藤「那須、気分大丈夫?横になった方がいい?」
那「ううん、大丈夫…」
大「我慢せずに、しんどくなったら言って?」
那「うん…」
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作者名:ほるる | 作成日時:2020年1月11日 18時