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着替えが終わり、あと5分くらいしたら舞台袖にスタンバイしないといけない時間
出演者全員で出るから、那須をこの部屋に残して行かないといけない…
付いててやりたいけど、本番中だから…
スタッフさんにお願いするしかないかな…
色々と考えながら俺と藤井くんはソファーの横、龍我は背もたれの方に、大昇と金指は近くの椅子に座って、みんな静かに那須を見守っていると
ゆっくりと那須が目を開けた
龍「那須っ?目、覚めた?」
龍我の声に、大昇と金指も立ち上がる
那「あれ…俺…」
いまいち状況が掴めてない様子の那須
藤「那須、大丈夫?気分どう?」
那「大…丈夫…」
普通に返答してくれることが、素直に嬉しかった
まだ顔色は良くないけど、さっきに比べたら落ち着いてるのは分かる
「よかった、少し落ち着いたな。」
那「ごめん…迷惑…かけて…」
大「全然迷惑じゃないよ、大丈夫。」
金「俺たちも気づかなかったから…」
龍「めちゃ焦ったけどね!!我慢すんなよ!」
那「…ごめん…」
龍「いいけど!」
いいんかい。龍我、あんなに落ち着いて那須に寄り添ってたのに。もういつものお子ちゃまに戻ってる。
那「え、まって…出番は?」
ふと部屋の時計が目に入ったのか、那須が焦ったように起き上がった
藤「馬鹿馬鹿!そんな勢いよく動くなって!大丈夫だから!」
藤井くんが慌てて那須の体を支える
「大丈夫、キンプリのコーナーは無事終わったよ。みんな那須のこと心配してた。お前をここに運んでくれたのも、岩本くんたちだから。」
那「…ほんと…申し訳ない…」
「そんなこと思わなくていいって!元気になったら一緒にお礼言いに行こ?」
那「うん…」
大「ただ、これからエンディング行かないといけなくて…那須、ごめん。少し1人で待てる?」
那「いや…俺も出るよ…」
マジで言ってます?
と思ったけど…多分俺が那須の立場でも同じこと言う気がする。他のみんなも。
でも…
「いや、無理すんな?まだしんどいだろ?」
那「でも…お客さんに心配かけるし…」
そうだよな、そこだよな
でも、だからって那須がまた倒れたらって思うと…
那「本当にごめん…絶対やりきるから…」
悩む俺たちに、那須が目を少し潤ませて頭を下げた
藤「本当に大丈夫?気持ちはすごい分かるけど…」
那「出る方が迷惑かな…」
大「いや、それはお客さん的には嬉しいと思うよ?」
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作者名:ほるる | 作成日時:2020年1月11日 18時