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那須side
場当たりを終え、楽屋でメイクとヘアセットをして、衣装場で着替えてスタンバイ
開演の合図と共にステージに立ち、みんなと一緒にパフォーマンスをする
やっぱり客席からの声援を聞くと嬉しくて、あっという間に中盤までさしかかっていた
次は山下くんにプロデュースしてもらった新曲披露
早く見て欲しくて、みんなでレッスンを頑張ってきたから、メンバーはテンション高め
もちろん、俺も…
と言いたいところだけど、なんか若干体が変な気がする
くそっ、またかよ…
いや、こんなところでくたばるわけにはいかない
着替えながら、違和感を振り払うように意識を高めようと頑張った
そして、いよいよステージに
曲中は、さっきの違和感が嘘のように楽しくパフォーマンスできた
でも、曲が終わって立ち止まった瞬間、サァーッと血の気が一気に下がる感覚になり、視界が揺れ始めた
やばい…でも、まだステージの上だ
目の前にはお客さんもいる、カメラも回ってる
耐えろ耐えろ耐えろ…
心の中で自分に必死に言い聞かせる
すると、河合くんに話を振られた
そうだ、ここ俺が答えるんだった
でも、正直立ってるのでギリギリで、うまく言葉が出せない…
そんな俺を見てか、戸塚くんと河合くんが話を繋げてくれて、なんとかその場をしのぐことが出来た
そこからは、あんまり覚えてない…
気付けば、戸塚くんがコーナーの終わりの挨拶をしていて、メンバーに合わせて礼をした
そのまま舞台袖に捌ける
けど…もう…限界かも…気持ち悪…どうしよう、このままじゃ…
少し迷った末、目の前を歩く浮所の肩を掴んだ
タイミングよく浮所も何か俺に話しかけた気がしたけど、ごめん、まじで申し訳ないけど…助けて…
浮所に何とか助けを求めた瞬間、一瞬意識が飛んだ気がして、気付いたらメンバーに囲まれて床に座り込んでいた
ごめん…本当に…次出番が…
頭の中では割と冷静に考える自分もいるのに、顔を上げようとしたり、喋ろうとしたら、グラグラと体が揺れる感じがしてめっちゃ気持ち悪い
龍我の手を握ったり、かろうじて頷いたりして、何とか意思を伝えようとした
でも、実際こんなにゆっくりしてる時間なんてないはず…みんな…早く次の準備に行って…
自分で助けを求めておいて、矛盾してるのは分かってるけど、俺のせいでみんなに迷惑がかかってることがすごく申し訳ない
ただ全然回復しない体も辛くて、色々考えてるうちに何だか息もし辛くなって…どうすれば…
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作者名：ほるる
| 作成日時：2020年1月11日 18時
