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何も言えない俺と廉に
岸は少し笑う
岸「あ…生きてはいるはずだから、その心配はないんだけどさ…でも、会えるなら会いたいなぁって思う。だから、廉の気持ち、ちょっとだけ分かるよ。」
廉「…っ。」
岸「ごめんな、俺実はちょっと分かってた。お前が何か無理してんの。でもちゃんと聞いてやんなかった。まじでごめん。」
その言葉に
廉は首を横に振る
岸「でもな…廉。」
岸「お前は、何も悪くない。弱くなんかないし、本当、十分過ぎるぐらい頑張ってる。紫耀や海人の方が…なんて考えなくていいから。」
さっきの笑みを消し、真剣な表情で
廉に目を合わせる
こんなの…俺の知ってる岸じゃない…
岸「会いたいよな…お父さんとお母さんに。寂しいよな…ごめんな、俺らそれ叶えてらんなくて。」
廉「…ちゃぅ…」
岸「んーん、違わない。廉が頑張ってんの知ってんのに、しんどいの分かってんのに、お前の願いひとつ叶えてらんない…本当ごめん。」
…たしかにそうだ
俺たちは、廉の願いの何ひとつ叶えてやれない
あんなに泣き叫ぶほど
廉が欲しい願いを
ただ聞くことしかできない
廉「…やめ、て…」
謝んないで、と言わんばかりに
廉は岸の手をグッと握る
岸「でもな、俺たちは絶対お前のこと1人にしねーから。それだけは、約束する。看護師だからとか、担当だからとかじゃなくて。俺たちにとってお前は本当に大切なやつだから。お前を助けるために、俺たちが出来ることなら何でもする。だから、俺たちには、我慢しないで全部見せて欲しい。」
廉「岸…くん…」
岸「紫耀も、海人も、神宮寺も、俺も…もちろんお前のお父さんとお母さんも…みんなお前のこと大事に思ってるから。1人になんてしない。だからわがまま言えばいいんだよ。辛い嘘つくのは、もうやめよ？な、廉。」
お前、誰だよ
岸じゃねーだろ絶対
でも
異論はない
廉「…あり、がとう…」
岸の言葉を聞いて
落ち着きを取り戻した廉は
それからしばらく体をさすっていると
そのままスーッと眠った
岸がゆっくりと寝かせて
俺が布団をかける
涙の跡が残るその顔が
とても愛おしく感じた
と
岸「びっくりした？笑」
「は？」
明日に座り直した岸が
急に話し出した
岸「いや、おもろい顔してたから笑」
お前…
「当たり前だろ。なんなんだよ急に。」
岸「ははっ笑 タイミングなかっただけだって言ったじゃん。」
「いや何年目だよ。」
岸「まぁ笑 たしかにな笑」
「俺の話は知ってるくせに…」
ずるいだろ…
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ほるる(プロフ) - 由夏さん» ありがとうございます。そうですね、また機会があれば、そんな未来も考えてみます。 (2021年7月16日 3時) (
レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
由夏 - 今は苦しくてもいつかは３人ともハッピーエンドにしてください｡ (2021年7月15日 23時) (レス) id: 233a7fa478 (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - ねおん。さん» お忙しい中読んでくださり、コメントまでありがとうございます。いつも勿体ないくらい褒めていただけて、1人で赤面しています。まだまだですが、私も色々表現方法を考えながら描いていきたいと思ってますので、引き続きよろしくお願いします。 (2020年11月24日 19時) (レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - 音さん» コメントありがとうございます。そう感じていただけて嬉しいです。メディアで見る彼らのやりとりは本当にほっこりしますよね。泣いてくださるほど物語に入り込んでいただけたこと、本当に感謝しています。それを知って今私が泣きそうです笑 (2020年11月24日 19時) (レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
ねおん。(プロフ) - 完結おめでとうございます。この所プライベートがバタバタと忙しくなかなか占ツクにやってくる事が出来ず、やっと今日最後まで拝読させて頂きました。毎度書いている気もしますが、やっぱりほるる様の表現や書き方にとても憧れます。今回もとても面白かったです。 (2020年11月24日 19時) (レス) id: 8a6fbf79cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほるる
| 作成日時：2020年10月18日 19時
