＊ ページ49
K
廉「…何で…」
「廉…？」
明らかに、さっきまでと声の感じが違う…
松「ん、何だろう？」
廉の様子の変化に、刑事も気付いたようで
少し覗き込むように問い返した
廉「…何で、ですか…」
裕「廉、どした？もういいぞ？」
十分話はした
なのに廉は言葉を止めない
そして…
ポタッ…
紫「廉…」
今日、初めて
廉の目から、涙が流れ落ち
廉「何で…俺の、父さんと母さんは…殺されな、あかんかったんですか…」
絞り出されたのは、廉がこれまでずっと心に溜めていた思いだった
松「廉くん…」
廉「俺はっ…事件のとき、まだ小さかったから…本当のこと知らんだけかも、しれません…でもっ…でも、少なくとも…俺が覚えてる2人は…誰かに恨まれような…そんな人じゃ、ありませんでしたっ…」
ポタポタと流れる涙と
溢れ出す心の叫び
10年以上一緒にいて、初めて聞くことだった
廉「大好きやった…父さんも、母さんも…優しくて、楽しい人でした…あの時…動かんくなる直前…母さんが…言ったんです…っ…
廉、ずっと…ずっと…愛してんで…って…はぁっ…」
涙が頬を伝うのを感じた
俺は、1度も言ってもらえなかったけど
それでも、廉が両親に愛されてたことが
自分のことのように嬉しくて
なのに、どうしようもなく辛くて、悲しくて
もう届くことのない、廉の両親への思いが
胸に突き刺さった
裕「廉…」
廉「もっと…一緒にいたかった…色んなとこ行って…写真撮ったり…毎日一緒に飯食ったり…たまに怒られたり…褒めてもらったり…普通のことやけど…一緒にやりたいこと…めっちゃあったのに…何で…俺の父さんと母さんやったんやろって…何であんな苦しい思いして…死ななあかんかったんやろって…ずっと、思ってました…」
誰も何も言えない
ただ、廉の涙声がリビングに響く
そして
廉「…お2人に、こんなこと言うて…ごめんなさい…でも…もし…もし犯人が見つかったら…伝えてください…
俺の…両親は、あんたが殺した2人以外…世界のどこ探しても居らへんねやって…
せやから…それを一生忘れずに、生きて償って欲しいって…」
お願いします…
そう言って、廉は頭を下げた
どこまでも
廉らしい、言葉の選び方だった…
廉の話を聞いた刑事2人の顔は
もう、初めのような刑事らしいものではなく
1人の人間として、心打たれたような
そんな風に見えた
それくらい
廉の言葉には、魂がこもってたんだ…
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ほるる(プロフ) - パナナさん» こんにちは！わぁ、それは本当に嬉しいです！長らく読んで頂いてありがとうございます！あたたかい感想も本当に嬉しいです。今後も他の作品共々よろしくお願いします。 (2020年8月18日 15時) (
レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
パナナ - こんにちは！！明日に向かってからずっと作品を読ませていただいてます！！途中で涙が出てくるくらい心が動かされます…。ティアラとしても、1人間としてもほるるさんの作品が大好きです。これからも更新楽しみにしてます！！ (2020年8月18日 12時) (レス) id: b2a7f92557 (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - 37さん» こんばんは！コメントありがとうございます！そう言っていただけると、もっと頑張ろうと言います意欲が湧いてきます！シリアスなシーンが続きますが出来るだけ読みやすく出来るよう頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！ (2020年8月16日 1時) (レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
37(プロフ) - こんばんは！お話の展開がハラハラドキドキで読んでてとても楽しいです！無理せず更新頑張ってください！！ (2020年8月16日 0時) (レス) id: 0303488334 (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - ゆんぺさん» コメント、ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです。更新頑張りますね！これからも、楽しみにしていただけるよう丁寧に考えていきます！ (2020年8月15日 1時) (レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほるる
| 作成日時：2020年8月3日 22時
