＊ ページ43
K
廉「昨日も今日も、正直めっちゃ怖かった。でも…あの刑事達も、こんな時間経ってんのに、まだ捜査してくれてるって…冷静に考えたらすごいありがたいことやなって思うから。」
「そう…だね。」
廉「上手く思い出せるんなら…やった方がいい気もする…でも、思い出したくない…とも思う。」
「うん…」
廉「どうすればいいんか…分からへん。どっちが正しいんかな…」
そうだよね
思い出したくない
これがきっと本当の気持ち
でも、もし何か手がかりが見つかるなら
そう思ったら
思い出したくない気持ちが、少し揺れるのも
分かる気がする
説明は難しいけど
俺達みたいな人は、頭の中で昔の記憶を閉じ込めて
わざと目を背けてるところがある
何かがきっかけでそれがブワッと出てくることがあるけど
普段は出てこないように、奥底にしまってる
でもそれは
逃げてるとかじゃなくて
自分を守るため
そうでもしてないと、俺達はその記憶に飲み込まれて
壊れてしまうから
廉が今しようとしてることは
その記憶の蓋を、自分で開けて
溢れかえるものを整理していくということだ
それがどれだけ辛いか
どれだけしんどいか
きっと、普通の人には理解できないことだと思う
俺だったらどうするだろう…
と、そのとき
紫「廉はどうしたい？」
ガチャッとドアが開き、ちび達を寝かしつけ終えた紫耀がそう言いながら入ってきた
廉「…え？」
カーペットに座った紫耀に目を向けた廉
紫「裕太くんが言ってたじゃん、廉がどうしたいかを基準にして決めろって。」
廉「…う、ん。」
紫「お前が、やりたくないって思うならそれでいいと思うし、やるならそれも間違ってないと思う。」
廉「…。」
紫「でも、もしやるなら、その時は俺らも一緒にやる。事件の日のこと、俺らは見てないから知らねーことばっかだけど、出来る限りお前のしんどさ少なく出来るようにしようと思ってる。」
「紫耀…」
紫「お前がどう思うか、だよ。廉。」
ずるいなぁ紫耀は
年上面なんかじゃない
こういう時、いつも芯のある言葉をかけてくれる
1個しか変わんないけど、やっぱり紫耀は俺達のお兄さんなんだなって
そして
家族を亡くした悲しみを知ってる分
俺よりも廉の気持ちが分かるのかもしれない
廉「…そうやな…」
紫耀の言葉に、頷いた廉
その夜、眠りにつきながら
廉はどんなことを考えてたんだろう
途中気になって起きたけど
昨日みたいに、寝れてない様子はなかった
そして翌日
廉「…俺、思い出してみる。」
裕太くんと俺達の前で
廉はそう、口にした
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ほるる(プロフ) - パナナさん» こんにちは！わぁ、それは本当に嬉しいです！長らく読んで頂いてありがとうございます！あたたかい感想も本当に嬉しいです。今後も他の作品共々よろしくお願いします。 (2020年8月18日 15時) (
レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
パナナ - こんにちは！！明日に向かってからずっと作品を読ませていただいてます！！途中で涙が出てくるくらい心が動かされます…。ティアラとしても、1人間としてもほるるさんの作品が大好きです。これからも更新楽しみにしてます！！ (2020年8月18日 12時) (レス) id: b2a7f92557 (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - 37さん» こんばんは！コメントありがとうございます！そう言っていただけると、もっと頑張ろうと言います意欲が湧いてきます！シリアスなシーンが続きますが出来るだけ読みやすく出来るよう頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！ (2020年8月16日 1時) (レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
37(プロフ) - こんばんは！お話の展開がハラハラドキドキで読んでてとても楽しいです！無理せず更新頑張ってください！！ (2020年8月16日 0時) (レス) id: 0303488334 (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - ゆんぺさん» コメント、ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです。更新頑張りますね！これからも、楽しみにしていただけるよう丁寧に考えていきます！ (2020年8月15日 1時) (レス) id: 239ad4e83f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほるる
| 作成日時：2020年8月3日 22時
